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タバコ規制はどれくらい「病気を減らす」のか

2023-08-03 10:36:57 | 煙草
タバコの喫煙率は年々減少し、2020年では男性で24%程度となっています。1980年ごろは70%以上がタバコを吸っていましたので、ほぼ3分の1まで減少したことになります。

タバコは多くの病気の原因とされていますのでこれだけ喫煙率が下がってくれば、当然病気の罹患者数や死亡率も減少するはずですが、そういった統計は見つかっていません。

この説明としては、この50年は高齢化が進んだため、高齢者の病気が増加してしまったためとしています。これもあまり説得力があるとは思えませんが、ガンなどは年齢調整をすると減少しているという数値がでるようです。

最近一橋大学の研究グループが、タバコ規制がどれくらい病気や死亡を減らすのかについて複数の研究を比較評価する方法でまとめた論文を発表しました。これもあくまでタバコ規制であり、実際の喫煙率ではないところが面白いと言えます。

厚生労働省の研究班がまとめた「タバコ政策の推進に役立つファクトシート(2021年)」によれば、日本でのタバコによる超過死亡数(2019年)は年間21万2000人となっています。これも不思議な数ですが、どういう計算から出て来るのか調べてみたいことのひとつです。まさか喫煙者の死亡者数ではないと思いますが。

タバコ規制は主に喫煙エリアの制限と禁煙エリアの拡大、タバコ増税、喫煙最低年齢の引き上げ、タバコ会社の活動制限と広告規制、禁煙サポート、タバコの害の知識の普及、タバコパッケージへの警告写真の記載などがあります。

これまでの研究によれば、こうしたタバコ対策は心血管疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患のリスクを下げ、新生児や乳幼児の死亡減と関係があるとされてきました。

研究グループは、国や地域など行政単位での大規模なタバコ規制政策とタバコ関連疾患との関係をシステマティックレビューとメタ分析によって調べました。研究グループは、タバコ規制と健康への影響に関する144論文を分析し、それらのそれら論文の結果を比較し、総合的な手法で評価しました。

その結果、喫煙の法的規制は心血管疾患と呼吸器疾患にかかるリスクを下げ、これらの病気による入院リスクを下げ、有害な出生事象リスクを下げることに関係することが分かりました。

研究グループは、国民の生命と健康を守るために各国政府は禁煙政策を加速させる必要があるとしています。面白い論文であることは確かですが、具体的にどんな病気が減少したかはわからず、単に禁煙政策を応援しているだけのような気もします。

禁煙政策と実際の喫煙率低下との関連は分かりませんが、単に国の担当者の自己満足に終わるような気もします。


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