ごっとさんのブログ

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進行ガンでは治ることを目指すより大事なことがある

2023-03-30 10:39:36 | 健康・医療
歳をとるのは早いもので、私は76歳とガン年齢といわれる歳を過ぎてしまいました。

この歳になればたとえガンが見つかったとしても、痛みや苦痛を取るだけでガンの治療はしないつもりでいます。手術や抗ガン剤治療という体に負担の大きな治療をしても、それほど寿命に違いはないだろうという考えです。

最近ガン専門医の「根治は目指さなくてもよい」という論説を見ましたが、私の意見とは若干違っていますが簡単に紹介します。

最初にガンができるのが「原発巣」で、原発巣から離れた場所までガンが飛び塊をつくるのが「遠隔転移」です。遠隔転移のある「進行ガン」は根治が難しいのですが、この専門医は根治は目指さなくてもいいと説明しています。

ガンが限られた範囲に留まっている「早期ガン」であれば、ガンを手術で取りきることで根治を目指せますが、限られた範囲を超えて遠隔転移が生じていれば、病気が全身に広がっていることを意味し進行ガンとなります。

CT検査などで確認できる遠隔転移が一つだけだったとしても、ガン細胞という「種」は体中にまかれたと考えられます。検査でわかるのは1センチくらいの塊を形成した時ですが、1センチの塊というのはガン細胞が10億個くらい集まったものです。

それより小さい塊があっても検査では見つけられないのですが、1個でも転移が見つかったという事は他にも小さい「芽」が生えている可能性が高いといえます。

限られた範囲に対して効果を発揮する手術や放射線治療などを「局所治療」といいます。早期ガンであれば局所治療で根治を目指せますが、進行ガンの場合は身体全体の病気を制御する必要があるため、薬を全身に行きわたらせる「薬物療法」を行う必要があります。

現在身体からガン細胞が消えたかどうかを厳密に調べる方法はありません。根治にこだわるよりも、「いい状態で長生きする事」を目指す方が当然重要です。現在は根治は達成できないとしても、ガンとうまく長く付き合っていくことができるようになりました。

ガンが悪さをしないようにうまく抑えながら、できるだけ長生きして天寿を全うできればガンが治ったとほとんど同じことといえます。医師の中にも根治にこだわりを持ち、遠隔転移に対する局所療法を進めたり強い抗ガン剤を進めたりする人もいます。

しかしそういう手術をせずに長生きしている患者も多くいることも確かなようです。こういった考え方は、特に高齢者の場合は必要で、現在は局所治療である手術があまりにも偏重されているような気がします。

手術をした場合としない時、どちらが長生きできるかは永遠に答えの出ない問題ですが、手術をしない選択肢も選べるようになることを期待しています。


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