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国民病となり得る非アルコール性脂肪肝炎

2024-03-08 10:34:28 | 健康・医療
私は新型コロナ感染による間質性肺炎で入院しましたが、退院の際の説明によると細菌性肝炎も発症していたようです。

やはりウイルス感染などすると、同時に病原菌が色々なところで増殖してしまうようです。最近肝臓の疾患としてNASHあるいはNAFLDという病態が注目されています。

肥満などが原因で生じる肝疾患(脂肪肝炎、脂肪肝)のことで、生活習慣病のひとつですが、薬剤による治療法はまだ確立されていません。脂肪肝は、肝臓に中性脂肪が過剰に溜まった状態のことをいいますが、肝炎から肝硬変、肝臓ガンに進行しやすいとされています。

飲酒しないあるいはほとんどアルコールを摂取しないのに、過食や運動不足などが原因で脂肪肝になり、それが肝炎、肝硬変へと進行する病気があります。

1980年に米国の医師が提唱したNASH(非アルコール性脂肪肝炎)やその前段階であるNAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)です。NASHが日本で取りざたされる様になったのは2000年代に入ってからで、まだ広く知られて病名ではありません。

2003年に行われた生体肝移植で、肝臓提供者がNASHであり、それが原因で提供者が亡くなるという事象が起きました。それ以降少しずつ一般に知られるようになってきています。

NASHは肝臓の細胞が損傷され、炎症が起きるなどの病気で、進行すれば肝線維症や肝硬変、肝がんを高い割合で引き起こします。また肝臓以外の心血管疾患、慢性腎臓病などにも関係すると考えられています。

日本人のNASHの前段階であるNAFLDの有病率は、人口の1/4以上(25.8%)と考えられ、NAFLDについては一種の国民病とする見方もあります。

NAFLDの患者のうち、約14%が糖尿病を、約31%が高血圧を、約48%が脂質異常症を、1から2%が肝線維症をそれぞれ合併しているようです。日本人の死因の約半分は、生活習慣病に関係する病気によるものです。

生活習慣病は、偏った食生活、運動不足、喫煙、睡眠不足、ストレスなどが原因になります。内臓脂肪型肥満の人は、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった病気になりやすく、動脈硬化が進んで心疾患や脳血管疾患などの重篤な病気を発症しやすくなります。

肥満の定義は、BMI値が25以上となっていますが、健康状態が悪くなって治療が必要な状態を肥満症といいます。肥満症の患者は脂肪肝にもなりやすく、飲酒しない人でも脂肪肝になることがあり、これがNAFLDであり、進行するとNASHになりという訳です。

結局NASHを予防するためには、肥満にならないようにするという簡単そうで難しい問題と言えるのかもしれません。


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