ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

認知症に本当に必要なクスリはごくシンプル

2024-11-20 10:34:28 | 
認知症の治療薬は2種類が承認されていますが、いずれも抗体薬という分類になっています。そのため非常に高価であり、日本の医療制度でもかなりの負担になりそうです。

しかも治療といっても改善するわけではなく、進行を止める効果しかないと言われています。従って認知症を発症してすぐやその可能性があるという患者しか効果がないようです。こういった治療薬について、実はもっと簡単な方法で効果があるという記事を紹介します。

認知症はその症状がや原因が一通りでなく、複雑な病気と感じられるため、治療も複雑なものというイメージがあるかもしれません。メディアには認知症に効くとうたう食品やサプリメントの宣伝が多数みられるため、何が本当に必要なのか分からなくなりそうです。

しかし実際のところ、認知症は検査だけでなく、使うクスリもシンプルです。医学的には、認知症患者はその他の病気も同時に抱えていることが多いようです。

そのため高血圧や糖尿病、肺の病気などの他の健康問題を、その時の体調や状態に合わせて治療していくことが認知症の治療と同じかそれ以上に大切です。ただでさえ影響を受けている認知機能は、他の病気がうまく治療できていないとさらに働きが鈍くなってしまいます。

また認知症は進行性の病気であり、時間とともに症状が変化していきます。このため定期的に再評価を行い、その時の症状に合ったケアやサポートを提供する必要があります。転倒防止のための自宅の環境調整、日常生活のサポートなど、多岐にわたるケアが求められます。

認知症の症状を和らげる薬として、「コリンエステラーゼ阻害剤」と「メマンチン」という2種類の薬があります。両方とも飲み薬で、基本的にはこの2種類で十分です。これらの薬は、アルツハイマー型認知症や、レビー小体型認知症にも効果があることが知られています。

ある研究では、これらの薬を使用した重度の認知症患者で、症状の重さが軽減し、日常生活の活動が向上したと報告されています。さらに死亡率の低下との関連も見られたと報告されています。

また最近の長期的な研究では、実生活のなかでこれらの薬がどのように効果を発揮するかも調査されています。スウェーデンの研究では、アルツハイマー型認知症と診断された約1万人を対象に、5年間の追跡調査が行われました。

その結果コリンエステラーゼ阻害剤を使用した人は、認知機能検査の結果が一貫して良かったことが報告されています。

ただしこれらの研究は、観察研究と呼ばれるものであり、認知機能に影響を与えうる既知の因子については調整がされているものの、見えないバイアスの影響を受けている可能性があることには注意が必要です。

こういった薬に効果があることは初めて知りましたが、それなりのエビデンスがあるのかもしれません。


東研有志の会に行ってきました

2024-11-19 10:32:15 | 日記
私が30年近く勤務した東京研究所(通称東研)の65歳以上のOBを集めた会が開催されました。

どうやって連絡を取ったのか分かりませんでしたが(私のところはメールでした)、男性60人、女性20人も出席しました。皆さんほとんどが20年ぶり以上ですが、歳をとってもすぐに誰だかわかるというのも面白いものです。

12時開催で受け付けは11時半からとなっていましたので、11時40分ごろ会場に行くともう多くの人が集まっていました。皆さん一刻も早く会いたいという思いがあったのでしょう。

一応席が決まっており、隣にT君が来ていました。彼は現役のころから若干太っており、健康診断後の結果が悪いところだらけで怖くて見られないという、病気の巣窟のようでしたが、77歳になっても元気でいましたので多病息災なのかもしれません。

反対側がYさんでしたが、彼は所員でありながら大先生の息子で、学会では特殊な地位となっていました。そのYさんが企画したアメリカ出張(ほとんどが観光旅行でしたが)の思い出など楽しく話しました。

後ろの女性がSさんでしたが、彼女はフルートの名手で所内の音楽部的なところでよく演奏したものでした。ここで本名を出しますが、彼女は清宮という素敵な名前でした。それが所内結婚で高橋君と結婚したのです。

そこで高橋君に是非清宮姓にするよう勧めたのですが、結局高橋になってしまいました。30年も経ってから旦那も清宮姓にすればよかったといっているそうです。

途中一緒に実験をしていたS君と喫煙所に行って一服しながらいろいろ話しました。その後元社長であるHさんと話したとき、NACの会(元上司のH研究室の同窓会)をやってくれという事でしたので、S君と一緒にやろうという事になりました。

今回の最高齢はFさんでしたが、もう90代のはずが非常にお元気でした。ただどうしても亡くなった方の話になってしまいました。こういった懐かしい人たちと話しているとアッという間に時間がたち、2時間の予定を伸ばして3時近くに解散となりました。

私は昔の仲間であるE君たちと2次会を考えていたのですが、麻雀仲間のSKさんとH君がコーヒーを飲もうというので、そちらを優先しました。

H君がドトールコーヒーの3階にゆっくりできるところがあるというのでそこに向かいましたが、いつも麻雀をやっているとはいえゆっくり話したことがないので良い機会となりました。

やはり職場の仲間というのは、一緒の時間が長かったこともあり懐かしさがひとしおという感じがするのかもしれません。

ビールの主役ホップの健康効果が脚光

2024-11-18 10:34:29 | 自然
ビールは私も割と好きな酒で毎日飲んでいますし、居酒屋など行くとまずビールとなっています。それでもジョッキ一杯くらいでほかの酒にしていますが、アルコール濃度も低く気軽に飲めるからかもしれません。

最近ビールの原料のひとつであるホップには、健康を促す様々な性質があることが分ってきました。実験室内での多くの研究や少人数の人を対象にした研究からは、ホップに含まれる物質には抗菌、抗腫瘍、抗炎症、血糖値の調整といった幅広い特徴があることが分っています。

専門家はこの植物が心血管疾患、糖尿病、胃腸障害、さらにはガンに対する効能を持つ可能性を探っています。ホップが持つ有益な性質の大半は、雌株の毬花に豊富に含まれる抗酸化物質に由来します。

毬花は、ビールの製造に使われる部位で、抗酸化物質は炎症を抑えたり、細胞を損傷から保護したりする働きを持ち、ホップの14%を占めています。ホップに含まれる有望な抗酸化物質である苦味酸とポリフェノールは、ビールの風味や香りのもとになっています。

研究者が特に注目しているのは「キサントフモール」と呼ばれるポリフェノールで、これはホップにだけ含まれる強力な抗酸化物質です。

ただし多くのビールに含まれるキサントフモールはごく微量であること、心臓病やガン、肝臓障害、免疫機能不全といったアルコールのさまざまな健康リスクを無視してはいけないようです。

ビール造りは農業と共に始まっています。およそ1万2000年前、人間は農耕生活へと移行し、地域に応じてコムギ、オオムギ、トウモロコシなどの、ビールのもととなる穀物の栽培を始めました。

発酵を制御する方法が人類によって解明されると、ビールは世界で最も人気の高い飲料のひとつとなりました。それでも穀物、酵母、水だけでは風味や香りが乏しいうえ、飲料が腐らないようにする方法も必要でした。

1000年ほど前のローマ帝国では、食品の腐敗を遅らせるために既にホップが使われていたようです。ホップとその成分に関する研究は、細胞やげっ歯類を対象に実験室で行われたものが大半ですが、結果は概ね良好です。

ホップ由来の抗酸化物質の混合物を脂肪細胞に加えると、低密度リポタンパク質、いわゆる悪玉コレステロールの酸化が防がれ、それによるダメージが抑えられます。肥満のオスのラットにキサントフモールをエサと一緒に与えると血糖値が下がり、量が多いほど損効果は大きくなりました。

キサントフモールは、肺ガン、大腸ガン、甲状腺ガン、卵巣ガンなどのガン細胞にも影響を与えることが分っています。キサントフモールがあると、ガン細胞は自滅したり、複製や転移を行わなくなったりします。

こうした結果がヒトにも当てはまるかは分かっていませんが、ビールには想定外の効能があるのかもしれません。

ガンの4割がアルコール消費と関係

2024-11-17 10:31:47 | 健康・医療
私は若いころはほとんど酒が飲めませんでした。小さな缶ビール1本で顔が赤くなり、心臓がドキドキしその酒が覚めるとき頭が痛くなっていました。

勤務していた研究所は所内の冷室(4℃の部屋)にはどこでも山のようにビールケースがあり、終業後飲むのが当たり前の研究所でした。私は車通勤だったこともあり、ほとんど飲まずに過ごしていました。

酒が飲めるようになったのは50歳を過ぎて静岡県の研究所に出向になり、そこで毎日のように接待で飲んだためのような気がします。現在でもそれほど多量に飲むことはないのですが、夕食時にビールと風呂上りにウイスキーという生活が続いています。

酒は百薬の長という言葉もありますが、米国ガン学会が「ガンの4割がアルコール消費と関係している」という研究結果を発表しました。研究ではすべてのガン症例の4割が「変更可能な危険因子」に関連していると推定しています。

変更可能、つまり自分自身で変えることができる危険因子のことですが、その中でもアルコール消費は最も顕著なものだとしています。中でも頭や首のガン、食道ガン、肝臓ガン、結腸・直腸ガン、乳ガン、胃ガンがアルコール摂取によるものだとしています。

また成人初期及び中期で頻繁にまたは定期的に飲酒した人は、高齢になってから結腸・直腸ガンのリスクが高くなるという調査結果もあります。米国ガン学会のコメントでは、危険因子としてのアルコールは、消費が多ければ多いほど危険度が上がる、つまり量を減らせばいいという事になります。

アルコールは体内でアセトアルデヒドという物質に分解されますが、この物質が細胞内のDNAを損傷することがあります。つまりアルコールがDNAを書き換え、突然変異によりガンを引き起こす可能性があるとしています。

アルコールは栄養の吸収を損ない、ホルモンのレベルを変化させ、その結果有害な化学物質が口や喉の細胞に侵入しやすくなることもあります。腸内のバクテリアに悪い影響を与えることもありそうです。

さらに飲酒に運動不足や肥満が加わると、リスクがさらに高まるとしています。だからといって酒をすべてやめろという訳ではなく、一人ひとりが科学的な情報に基づいて意思決定をし、節度やマインドフルネスを大切に酒を楽しんでほしいと、研究者は呼び掛けています。

私は酒が飲めるようになったといっても、大量に飲むことはできませんしそのつもりもありません。今までに二日酔になったことはりませんし、多分今後もそれほどの量を飲むことはなく節度ある飲み方を続けていくと思っています。

かかりつけ医機能報告制度の概要

2024-11-16 10:32:09 | 時事
私の家では、かみさんと月に1回クリニックに出かけ薬をもらっていますので、このクリニックがかかりつけ医といえるようです。ここに医師の評価はあまり高くなく、言えば薬を出してくれる医師程度に感じています。

かかりつけ医機能報告制度は、2025年4月から施行される新たな医療制度として導入されることが決定しています。この制度の主な目的は、地域の医療機関が日常的に提供しているかかりつけ医機能について、詳細な情報を都道府県に報告することを義務付けるものです。

この取り組みにより、地域医療の実態をより正確に把握することが可能となります。報告された情報は、各都道府県によって慎重に確認・評価された後、住民が閲覧できるかたちで広く公表されることになっています。

この制度の特徴として、単なる情報収集に留まらず収集したデータを活用して、地域の医療提供体制の改善につなげることを目指している点が挙げられます。

報告された具体的な情報を基に地域の関係者が協議を行い、それぞれの地域に必要とされる適切なかかりつけ医機能を確保するための効果的な方法を検討し、計画的に推進していくことが期待されています。

この制度が創設された背景には、日本の急速な高齢化と人口減少があります。厚生労働省の推計によると、2025年には700万人だった85歳以上の人口が2040年には約1000万人に達し、全人口の約10%を占めるようになると予想されています。

こうした人口構造の変化に伴い、医療需要も大きく変化すると考えられています。具体的には複数の慢性疾患を抱える高齢者の増加、医療の介護の複合ニーズを持つ患者の増加、採択医療の需要の増加、地域による医療需要の格差の拡大などが予想されています。

一方で医療提供側では、医療従事者の不足や偏在が課題となっています。特に地方部では医師の高齢化や後継者不足が深刻化しており、地域医療の維持が困難になりつつあります。

このような状況の中で、かかりつけ医機能報告制度は、地域におけるかかりつけ医機能の「見える化」目的としています。

さらに患者がかかりつけ医を適切に判断するための情報提供、地域のかかりつけ医機能の充実に向けた協議の促進、効率的で質の高い医療提供体制の構築を目的として創設されました。この制度の対象となる医療機関は、特定機能病院と歯科医療機関を除くすべての病因・診療所です。

具体的には一般病院、診療所、療養病床を有する病院、精神科医院が報告の対象となります。どうもこの制度が始まると何が変わるのかよく分かりませんが、自宅近くは非常に多くの病院がありますので問題はないだろうと思っています。