ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

日本人の死因第6位誤嚥性肺炎が改善

2025-02-23 10:31:22 | 健康・医療
私はこの2年間で2回も肺炎になってしまいました。どうも肺機能がかなり低下しているようです。ただ息苦しいといった症状が全くでないため、あまり実感として分かっていません。

厚生労働省の令和5年人口動態統計によると、死因順位の第5位は肺炎、第6位は誤嚥性肺炎で、両者を合わせると全体の8.6%を占めるそうです。飲み込む力が低下するほど、誤嚥しやすくなります。

これを測定する簡単なテストがあるようですが、私はかなり弱っているのかもしれません。これは30秒間で唾液の飲み込み(空嚥下)が何回できるかというものです。一般的に、飲み込む力は年齢とともに低下しがちです。

空嚥下の回数が5回以下になると、誤嚥性肺炎のリスクが生じます。この飲み込み力テストは、医療機関などで嚥下機能が低下している人をふるい分ける方法で、正式な名称は機能的嚥下障害スクリーニングテストといいます。

30秒間の空嚥下で30名の健常若年者平均7.4回、30名の健常高齢者平均5.9回と報告されていました。空嚥下の回数が5回以下、つまり喉年齢が70代以上の人は、実際に誤嚥性飛燕を発症していました。

例えば70代後半の女性は、微熱が出て咳が長引くことが頻繁にありましたが、単に自分は風邪をひきやすい体質だと考えていました。しかしエックス線検査とCTで右肺に肺炎があることが分りました。

治療して肺炎は良くなったものの、女性はその後も肺炎を繰り返していましたが、その原因がわかりません。この女性は夜間の咳で目覚めることがあるとのことでした。これは夜間睡眠中の誤嚥(不顕性誤嚥)による肺炎を疑う経過です。

夜間に咳をするのは誤嚥した唾液を吐きだそうとしていたのです。そこで女性には口腔ケアと、毎食前30秒の唾液を飲み込む練習を勧めました。

口腔内細菌を多く含んだ唾液の誤嚥が問題ですので、口腔毛で口の中をきれいにして、飲み込む力を高めるため、喉のトレーニングを行ったところ、肺炎は起こらなくなりました。長引く咳はさまざまな病気が疑われますが、誤嚥性肺炎はその1つです。

咳が長引くことはしょっちゅうあるからといって、放置しないで医療機関を受診して欲しいとしています。冒頭2回も肺炎になったと書きましたが、この時発熱やひどい咳という自覚症状が全くありませんでした。

そのため医師にかかるのが遅くなり、やや重症化してしまいました。どうも高齢になると肺炎になっても熱が出ないというケースがあるようです。

このように肺炎になってもほぼ無症状という場合は、どこで医師にかかるかは難しいような気がします。私は誤嚥性肺炎ではないのですが、色々気にすべき歳になった証拠かもしれません。 

AIは人の知能になれるのか

2025-02-22 10:32:49 | その他
昨年のノーベル賞は、私のわかる分野でなかったためほとんど気にしていませんでした。この物理学賞の受賞者が、いつの日かAIは自我を持ち、人間を排除するのではないかという警告を出しているようです。

ただ現在ではほとんどの専門家がこの警告を否定しています。その理由は人工知能(AI)と人間の知能は本質的に異なるためとしています。しかし知能とは何なのか、その概念を再定義し、人間とAIの知能の違いを探求する必要があるようです。

またチャットGPTの基礎技術となる深層学習の生みの親でありAIの父と呼ばれる受賞者もインタビューで同様な懸念を示しています。さまざまな悪影響が制御不能に陥るという驚異も心配しなくてはならない。人間より賢いシステムが生まれ、支配するのではないかとしています。

彼はインタビューにこう答えています。私は50年もの間、AIを人間の脳に近づけようとして開発を重ねてきた。脳の方が機械的に優れていると信じていたからだが、2023年に感を改めた。現在対話型AIは人間の脳の100分の1の規模でも数千倍の知識がある。

おそらく大規模言語モデルは、脳よりも効率的に学習できる、というものです。チャットGPTに代表される生成AIは、機能を限定されることなく、幅広い学習ができる汎用性を持っており、AIが何を学ぶかを人間が制御できなくなってしまう懸念は理解できます。

囲碁や将棋に強いAIをトレーニングしたつもりが同時に暗殺プランを計画するのにも優れてしまったら、恐ろしいことといえるでしょう。

ここでは曖昧模糊とした知能を再定義し、AIと人類が持つ脳という臓器が生み出すヒトの知能との共通点と相違点を整理したうえで、自立的なAIが自己フィードバックにより改良を繰り返すことによって、人間を上回る知能が誕生するというシンギュラリティに達するという仮説の妥当性を考えてみます。

この著者は粉粒体の動力学などの分野で物理シミュレーションを行う研究を行い、近年は生命情報学を用いたゲノム解析を行っている物理学者です。

チャットGPTに代表される大規模言語モデルは、その構造を見る限り物理学の非線形非平衡多自由度系と何ら変わりがないとしています。これから知能と呼べるものは、生成AIであれ人の知能であれ、現実世界のシミュレーターであるという点で共通しているそうです。

結論としてはAIが人類のような知能を獲得することは非常に難しいものであり、シンギュラリティを否定しています。

この物理学的知能の話はよく理解できないので省略しますが、知能とはなかなか難しいものであることは確かなようです。

鳥は圧倒的な運動能力を持ち、肥満や病気になり難い

2025-02-21 10:34:27 | 自然
私は鳥をペットとしてかったことはないのですが、30年以上前に子供が生まれたての雀のひなを拾ってきて育てたことがあります。

虫を探して餌にするなど結構苦労しましたが、何とか大きくなるまで育てました。ほぼ大人になったぐらいで自然に返そうと外に出しましたが、しばらくは帰ってきていました。そのうち他の雀と一緒になってから帰ることはなくなりました。

さて鳥類の運動能力は、生物の中でも飛びぬけて優れています。鳥は哺乳類などとは別次元のスーパーミトコンドリアを持っているためのようです。

この形質は約2億5千年前に起きた大絶滅後の低酸素という強力な選択圧のもとで、原始的な爬虫類から獣脚類が進化する過程で生み出されました。ヒトとアネハヅルの低酸素での運動能力には、超えられない大きな差があります。

鳥類の運動能力は、生物の中でも別次元のものです。この理由は、鳥が優れたミトコンドリアを持っているからです。これは哺乳類の物とは全く異なり、スーパーミトコンドリアと呼ばれています。

スーパーミトコンドリアは、哺乳類のミトコンドリアと比較して、酸素消費が高く、活性酸素の産生が低く、脂肪の合成が低くなっています。鳥は細胞がスーパーミトコンドリアで満たされているため、活性酸素を作らずに、常にフルパワーでエネルギー基質を生産することができます。

スーパーミトコンドリアの出現による酸素消費の増加は、気嚢システムの装着による酸素供給の増加とセットで理解する必要があります。酸素の需要と供給の両面から改革を起こしたからこそ、低い酸素濃度の環境でも、高い効果(運動能力)を発揮します。

たとえば鳥の酸素吸収能力は、20%の酸素濃度の時は哺乳類の30%程度高いだけですが、10%の酸素濃度(高度6000m)においては、哺乳類の肺よりも200%効率が高くなります。鳥は持続的に運動すると酸素消費は増えるが、活性酸素の放出量はほとんど増えません。

哺乳類は強度の高い運動をすると、酸素消費量は増えますが、活性酸素の放出量はそれ以上に増えます。そのため哺乳類では活性酸素の放出源として老化を促進する働きがあると考えられますが、鳥では活性酸素を除去する装置として働くために、老化を抑制する働きがあるのです。

獣脚類が鳥に進化するのは、ジュラ紀後期とされていますが、この時すでに酸素濃度は高い状態でした。鳥はスーパーミトコンドリアをすでに装着していて、高い運動性能を持っていたから飛行できたと考えられるようです。

このように鳥は肥満や病気になり難く、寿命も長いとされています。こういったことがすべてスーパーミトコンドリアのためであれば、なかなか面白い研究材料かもしれません。

明確な定義はない知能の不思議

2025-02-20 10:36:45 | 自然
いつの日かAIが自我を持ち、人類を排除するのではないかという意見を時々見かけるようになっています。

私はAIとの関連はチャットGPCで遊んだりする程度ですが、非常に進歩していると感じますが、人類の敵になることはないと思っています。この理由は人工知能(AI)と人間の知能は本質的に異なるからです。

しかしどうも知能という事の定義がはっきりしていないような気もします。現在人類は大脳がどのようにして知能を生み出しているのかを理解していません。さらに脳の機能としての知能とは何かを定義することさえできていません。

実際学会の専門誌には、知能は高等な抽象的思考能力、学習能力、新しい環境への適応能力と関係する高次認知機能の総称といわれているが、明確な定義はない、と書かれています。

研究者の間では、知能は新皮質で生み出されていることは合意されていますが、新皮質と知能については一般的に認められているパラダイムはありません。新皮質が何をするのか、どんな疑問に答えようとするべきかさえほとんど意見がまとまらないという混沌とした状況のようです。

知能が脳にあることには合意があるのに、知能とはどういうものかという定義も無ければ、なぜ知能が実現しているかの定義もないという状況です。間脳は視床、視床下部などから成り立っています。

視床は感覚系の神経を中継するところ、視床下部は自律神経や内分泌の中枢として機能しています、中脳は視覚反射、瞳孔反射、眼球運動を担当しています。延髄は循環の中枢をはじめ、呼吸、嘔吐、嚥下、消化などの中枢を含み、生命維持に不可欠な機能を担っています。

要するに人間が意識的に操作できる部分に関係しているのは大脳と小脳となっています。大脳新皮質は人間の脳を外側からすっぽり包み込むような膜状の構造をしており、知能は前頭葉と呼ばれる部分にあると信じられています。

人間は知能の定義さえちゃんとできていないのだが、それは人間は知能が脳にあるといかにして認識したかという歴史を振り返ると分かりやすそうです。

もちろんヒポクラテスの時代からは進歩していますが、知能とは何かという課題は脳科学が少々解明されてもなかなか明確にはならない課題といえそうです。AIが人間を超えることはないという理論のために知能をもち出したのですが、予定外の方向に行ってしまいました。

結局知能とは何かが分からないような状態では、これを超えるAIを作ることは難しいのではないでしょうか。ただAIによって知能とは何かが分かる手助けになるかもしれません。

緊張した時お腹に不安を覚える

2025-02-19 10:31:48 | 自然
このブログでも書いていますが、私は胃腸が丈夫なようで緊張してもお腹に不安を覚えるという事はありません。心臓がどきどきしたりしますが、誰にでもある普通のことだと思っています。

哲学者プラトンは、人間は理性的な頭と情熱的な心の綱引きによって物事を判断するという、有名なな観念を残しました。頭や心臓と並んで、思考や感情と関係のある部位がもう一つありそれが腸です。

度胸があり覚悟がきまることを腹が座ると言い、直観を信じることを英語では腸を信じると言います。また嫌いな人の性根を腹黒やはらわたが腐っていると表現することもあります。

腸が心の健康の支点であることは、最近になってようやく医学的に解明されましたが、そのずっと前から明らかに感情を発達させ表現する上での腸の重要性を本能的に理解していたのです。心臓は血液を送り出すのに忙しく、解剖学的に感情や欲望を司っているとは言えません。

また腸には実際に決意を固めたり、バラバラのピースをつなぎ合わせて真相を理解したりといった、特別な力は備わっていません。それでも現代の研究によって、腸は感情を制御する上で重要な役割を果たしており、腸の不調は不安症などの精神的な苦悩に繋がると証明されています。

体内でかなり離れた所に位置する脳と腸に、強いつながりがあるというのは直観的に理解しづらいでしょう。また存在感の薄い腸が、周りの世界の情報を処理する高尚な能力を持つ脳に、何らかの影響を及ぼせることがいまいち信じられないかもしれません。

脳と脊髄からなる中枢神経系は、神経堤細胞と呼ばれる特殊な細胞からつくられます。これらの細胞は、発達中の胎児の身体全体に移動しますが、中でも特に腸になる部分に移動して腸神経系と呼ばれる、消化管の働きを制御する神経ネットワークを形成します。

腸神経系には1億〜5億個のニューロンが含まれ、これは体内で最大の神経細胞の集まりで、脳より大きいのです。そのため専門家の中には腸を第二の脳と呼ぶ人もいます。腸神経系は自律神経の一部とされています。

自律神経系はストレス反応において重要な役割を担っており、心拍、呼吸、瞳孔の拡張など不随意な身体反応を制御しています。腸神経系は中枢神経系から独立した存在なので、脳から直接指示を受けなくとも機能します。

しかし独立しているからといって、通信しないわけではありません。実際この2つの神経系は頻繁に連絡を取り合っており、ほぼ絶え間なくやりとりをしています(脳腸相関)。このやりとりが主に通る導管は迷走神経です。

迷走神経は脳幹を腸壁に結びつけ、消化管と中枢神経を物理的につなげています。こういった多くの役割を持っている腸ですが、この健康とどういう関係があるのか難しそうな気がします。