最近、小さい子供の手を引かない親をよく見かける。
しかも国道沿いの歩道の車道側を平気で歩かせている。
子供は、ちょっとした好奇心で車道へ飛び出すなんてことはきっ
とまったく頭にないんやろう。
こういう親に限って、もし自分の子供が飛び出して怪我でもした
もんにゃあ、一方的に車が悪いなどと抜かしよるに決まってる。
そして、そうやって育てられた子供は運よく生き延びたとしても、
自分が親になった時には、当然、自分の子供に同じことを繰り
返す。まったく空恐ろしい。
ところで、子育て、ということで、親父の思い出がひとつある。
俺がたぶん幼稚園とか小学生になったばかりくらいやったと思う
けど、あめ玉をのどにつまらせたことがあった。息ができなくて苦
しんでいると、親父が飛んできて、背中をたたくでも逆さにする
でもなく、あっという間に俺をおぶって医者へと走り出した。
でも、走って揺れたのがよかったんやろう、詰まりが取れてあめは
胃の中へ落ちていった。でも親父のあまりの必死さに、今あめが
とれたというと怒られるという意識があり、しばらく躊躇してから、
あめ取れたというと、親父は「そうか、それならええ」と一言だけ
言って俺をおぶったまま家に帰った。
その時真っ先に、「あれ?怒られへんねや」と思ったことを今でも
鮮明に覚えている。
親とはかように子供の健康と幸せだけを願うもんやというのは、
俺も親になってから分かったんやんやけど、件の親っていうのは、
まだその親の代からバカDNAを受け継いでいるもんやから、本
能的にそういう気持ちが備わっていない。そして、
こういう親達の行動は見過ごされているけど、法律上は何の
罪にも問われないから、この人たちのバカDNAは今日もスク
スクと育っている。遠い将来のことを考えたら、ある意味ニュー
スで今話題になってる母親より、こっちの親たちのほうが罪が
重いんとちゃうかな。
真夏の夜、オカルトよりも背筋の凍りつくような話やねぇ。