たった一言が、その人の核心を表していることがある。
ずいぶん前やけど、「パソコンにも心がある」と言った人がいた。
俺が、機械に心なんて500%ありえないというと、
「いいや、使っていくうちに自分のやりたいことがやりやすいようになってくるし、
それはこっちの気持ちを分かってくれているからだ」と言う。
「それは、単にパソコンの学習機能が働いているだけで、比喩として心がある
というなら分かるけど、実際に心がある訳じゃないんとちゃうかな」と俺がまた
言うと、断じてそんなことはない、機械にだって心はあるんだ、と言い張った。
まぁそういうことなら別に俺が困る訳でもなし、その話はそこでやめにしたんや
けど、「機械に心がある」ということを本当に信じて言い張っている人は、1+
1は5です、赤信号では進むんです、などと言い張っているのと何も変わらな
い訳で、それは変わった趣味とかという話ではなく、その人の核心が少し世
間とはずれたところにある、ということを言い張っていることである。
人生を変える一言ならぬ、人生を見せる一言もあるんだなぁと思った。