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類い稀れな美貌と、数多のスキャンダルで知られた一人のハリウッド女優が
23日に他界した。彼女の名はエリザベス・テイラー、79歳だったそう。
初めて観た映画は確か『若草物語』。南北戦争で出征した父の帰りを待つ4人
姉妹を描いたストーリーよりも、この世にこんな可愛らしい少女が居ることに、
驚いた記憶がある。それが3女ベスを演じていたエリザベス・テイラーだった。
その後も、『陽の当たる場所』、『ジャイアンツ』、『熱いトタン屋根の猫』、『クレオ
パトラ』、『いそしぎ』などの映画に出演、如何にもハリウッド映画黄金期の女優
らしい、華やかな話題を振りまいていた。演技力云々以前に、存在そのものが
あの当時のアメリカ映画界を象徴していたと思う。
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莫大な費用と製作期間をかけて撮影された、『クレオパトラ』。
現在では考えられない贅沢なスペクタクル大作。エリザベス・テイラーの
ために作られたような映画だった。アメリカ映画には『十戒』や『ベン・ハー』、
『クォ・ヴァディス』など、時間と費用をたっぷり使った歴史映画が多かった。
思えばハリウッドにとっても、希望に満ちた良き時代だったのだろう。
kimitsukuの青春を彩ってくれた女優がまた一人、消えていった。
きっと今頃は、かつて競演した男優たち(M・クリフト、J・ディーン、R・ハドソン、
P・ニューマン、R・バートン)と再会し、あの魅惑的な笑みを浮かべているだろう。
彼女は、豊かで華やかで夢多きハリウッド映画そのものだった。晩年はエイズ
撲滅に関わり、スクリーンからは窺い知れない熱心な社会活動家でもあった。
無類の美貌、それにも増して心映えの美しい女性だったのかも知れない。
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