現代は、鉄の時代と言われます。
そう言われるのは、20世紀に入って、安定した鋼材が供給されるようになってからです。
それまでは、世界中、鉄というのは、非常にバラつきのある製品で、
熟練された、製鉄職人が、鉄を作り出すか、
製品を作る、鍛冶屋が、製品を作る際に、手作りで製鉄をしていたのです。
蒸気機関が発明されたのも、ある程度の製鉄技術が出来上がったからこそです。
鉄は、1530度が融点です。
それ以下ですと、半融けの状態で、流れはしますが、完全に溶けている状態ではありません。
完全に溶かして、鉄鉱石の中に含まれている不純物、燐や銅、あるいは酸化鉄などを取り除かない限り、鉄にはなりにくいのです。
みなさんも御存じのように、鉄は、変化しやすいものです。
特に空気中の酸素等と化合しやすいのです。
鉄の原子の中の、陽子と電子の数がバランスが悪く、物質の基本要素である、安定した方向に向かおうとする性質から、他の原子と結びつきやすいのです。
唯鉄の性質として、加熱しているものを、一気に冷やすと、急激に結晶化が進み硬くなります。
結晶というのは、分子がそれ以上変化せずに動かなくなる状態です。
氷は、水の結晶化したものです。
その硬くなる性質を利用して、様々な硬さの鋼が出来上がります。
二胡に使う弦は、ニッケルクロームを含む鉄で出来た、鋼ということが出来ます。
太い鉄は直ぐ温まり、直ぐ冷めます。
通常鉄をかたい、焼き入れをするためには、800度ぐらいに熱して、
その後直ぐ、油鳴り水に漬け込みます。その温度差が大きいほど硬くなりますし、
また鉄の中に含まれている、炭素の量が0、025%をこえるものは、鋼と呼ばれ、
硬くなりやすいのです。
この二つの要素によって、鉄は、弾力がありなおかつ、hものに出来るほどの硬さのある
鋼、になります。
二胡の弦もそれこそピアノの弦も、硬さの程度は違いますが、鋼でできています。
ニッケルとクロウムを含んだ鉄は、ステンレスと呼ばれます。
あの光った艶のある状態が、既に酸化、錆びた状態なのです。
柔らかめの、二胡の弦は、錆びにくいものですし、いわゆる鉄の赤錆というのは出来ません。
よく弦に鉄の赤錆が浮いているという人もいますが、殆どの場合、
空気中の鉄を、静電気が弦に付着させたものですから、布地でふいたりすれば、直ぐ取れます。
その後は残りますが、赤くはなりません。鉄が錆びた時には、表面を拭いたぐらいでは、その赤錆は取りきれません。
二胡に使う弦の鉄の、話でした。
これ以上、マニアックな話は、
私の書いた「空の高さ」という本に書いてあります。
読んでみてください。
マニアック話でした、
また、懲りない方の為に、今度は、原子の話しを書きますね。
西野和宏
そう言われるのは、20世紀に入って、安定した鋼材が供給されるようになってからです。
それまでは、世界中、鉄というのは、非常にバラつきのある製品で、
熟練された、製鉄職人が、鉄を作り出すか、
製品を作る、鍛冶屋が、製品を作る際に、手作りで製鉄をしていたのです。
蒸気機関が発明されたのも、ある程度の製鉄技術が出来上がったからこそです。
鉄は、1530度が融点です。
それ以下ですと、半融けの状態で、流れはしますが、完全に溶けている状態ではありません。
完全に溶かして、鉄鉱石の中に含まれている不純物、燐や銅、あるいは酸化鉄などを取り除かない限り、鉄にはなりにくいのです。
みなさんも御存じのように、鉄は、変化しやすいものです。
特に空気中の酸素等と化合しやすいのです。
鉄の原子の中の、陽子と電子の数がバランスが悪く、物質の基本要素である、安定した方向に向かおうとする性質から、他の原子と結びつきやすいのです。
唯鉄の性質として、加熱しているものを、一気に冷やすと、急激に結晶化が進み硬くなります。
結晶というのは、分子がそれ以上変化せずに動かなくなる状態です。
氷は、水の結晶化したものです。
その硬くなる性質を利用して、様々な硬さの鋼が出来上がります。
二胡に使う弦は、ニッケルクロームを含む鉄で出来た、鋼ということが出来ます。
太い鉄は直ぐ温まり、直ぐ冷めます。
通常鉄をかたい、焼き入れをするためには、800度ぐらいに熱して、
その後直ぐ、油鳴り水に漬け込みます。その温度差が大きいほど硬くなりますし、
また鉄の中に含まれている、炭素の量が0、025%をこえるものは、鋼と呼ばれ、
硬くなりやすいのです。
この二つの要素によって、鉄は、弾力がありなおかつ、hものに出来るほどの硬さのある
鋼、になります。
二胡の弦もそれこそピアノの弦も、硬さの程度は違いますが、鋼でできています。
ニッケルとクロウムを含んだ鉄は、ステンレスと呼ばれます。
あの光った艶のある状態が、既に酸化、錆びた状態なのです。
柔らかめの、二胡の弦は、錆びにくいものですし、いわゆる鉄の赤錆というのは出来ません。
よく弦に鉄の赤錆が浮いているという人もいますが、殆どの場合、
空気中の鉄を、静電気が弦に付着させたものですから、布地でふいたりすれば、直ぐ取れます。
その後は残りますが、赤くはなりません。鉄が錆びた時には、表面を拭いたぐらいでは、その赤錆は取りきれません。
二胡に使う弦の鉄の、話でした。
これ以上、マニアックな話は、
私の書いた「空の高さ」という本に書いてあります。
読んでみてください。
マニアック話でした、
また、懲りない方の為に、今度は、原子の話しを書きますね。
西野和宏