あるお客様から質問がありました。
「オーケストラの練習で、周りの演奏者からとてもご自身のヴァイオリンの音を褒められて、そこで光舜松脂を使い始めたと説明し、周りの演奏者にも試してもらったところ、中のお一人がこの松脂滑ると!ところが他の数人の方は大変褒めてくれたし、その場でネットで注文した方もいた」とのことでした。
光舜松脂を販売し始めてから、1年半たちます。
まだまだ二胡界にも、洋楽器の世界でも500に満たない広がりですが、
使用したお客様から、あるいはネットで評価など様々出てきています。
高音域の音が綺麗。そして楽器として出しやすい。
どんな楽器でも、高音域というのは出しにくくなります。鳴りにくくなるといっても良いかもしれません。音としても単調になりますが、光舜松脂を使った場合、粒子の細かさが、高音域を出しやすく豊かな音色にしてくれると思います。
また、録音した時の音の良さも言われます。
そしてご自身で弾いて感じるよりも、演奏している周囲の演奏者、そして観客の方から、大変褒められたという話が多いようです。
音の広がりが大きいともいわれます。
そして今回のお客様からの質問。弓が滑ったというお話も来ました。
これは、光舜松脂はオイルとの相性が悪いのです。
光舜堂でも、様々に実験しました。
普通の生の松脂とオイルの混合、あるいは光舜松脂と生の松脂の混合、これはとても魅力的な、魅惑的な音色を響かせますが、オイル部分が完全に混ざらないために多少滑るという難点もありまして製品にはしておりません。
全くつかないわけではないです。ただ強く一弓を大きく使ったときなどにあらわれます。
今まで使っていた割と油分の多いべたべた系の松脂を使っていた方から言われます。
同じ油分を含んでいるはずのものでも、全く問題の無い場合もあるのです。
比較的長く使っていた松脂ですと、このように滑るといわれたこともあります。
長く使っていると、夏場などの暑い時期に松脂が溶けかかって油分が浮いてくるようです。
直接のご意見だったりした時には、以前使っていた松脂をよく拭き取ってから光舜松脂を塗ってくださいと、お伝えしています。
光舜松脂の販売の際はアルコール系の市販の眼鏡拭きを同封してあります。
ご自身が使って大変気に入られた方が、お友達などに勧めた時に、眼鏡拭きもなく軽く布地で拭き取ったくらいで光舜松脂を塗った時に、これ滑るよと言われたこともあるそうです。
どんな松脂も、ただ布地で拭いたくらいではとり切れません。特にダークと言われるものは、アルコールなどで拭かないと表面だけでも取り切れないことが多いです。
普通の松脂は元々入っているテレピン油や、割れ止めに入れているひまし油や、弦に対する引っ掛かりをよくするための鉱物油あるいは他の油分などが入っていることが多いです。
普通湯煎などで溶かせるような松脂はオイルと良く混ざります。
しかし、300度から500度以上の高温で油分も全て燃やしきった光舜松脂は、そのままではオイルと混ざりにくいのです。
以前使っていた松脂の油分が浮いてきているようなものの上には光舜松脂は乗りにくいです。
ですので光舜松脂を使用する際は、必ず以前の松脂を取り除いてから塗布してください。
以前の松脂を取り除くには、市販品のアルコール系の眼鏡拭き(曇り止の入っていないもの)を使ってください。
商品としての発売の時には必ずこの眼鏡拭きを同封してあります。
どうぞよろしくお願い致します。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ