二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

刃物の打ち始め!

2025-01-07 12:23:55 | 光舜松脂
これは、ヴァイオリンのパフリングの溝掘りの道具です。
幅1,1ミリ 深さ2ミリの溝を掘っていきます。
そこに、このような、細い棒を入れます。
真ん中の白い木は楓です、外側の黒いのはこれは和紙を使っています。
昔は、この黒い部分は黒檀の薄い板や、白い木(楓やポプラ)を黒く染めたものがあったようです。かなり精度の高い仕事で、ヴァイオリンつくりの人が一番気を遣う部分だと言われています。見た目としてはです。
現代のヴァイオリンつくりは、音そのものよりもこのように見た目の綺麗さを競っている感じがします。
なにしろストラデヴァリ以来彼の作ったように同じように作れば、材料の違いは別にして、誰が作ってもかなりよい鳴りになるのが現在のヴァイオリン作りなのです。
と、話は飛びました!
木工の基本は、刃物です。
楽器つくりは特殊な刃物を使うことが多いです。
ヴァイオリンも二胡もそうですし、コントラバスのテールピース作りにしても専用の刃物を必要とします。
胡弓は更にその上を行くようです。
綺麗な花梨の棹です。
実はこれ!

このように分かれます。
これが、日本の木工技術です。
弦堂さんを通じて、中国の二胡造りさんがこの技術を教えて欲しいとのこと、画像や動画など添付して伝えたのですが、、、
この二胡造りさん、日本の三味線屋さんの持っていた棹の材料(小葉紫檀、コウキ)を相当仕入れたようなのです。
ところが二胡の棹に作るには三味線の棹は短いのです。
そこでこのような技術を使って二胡の頭を継ぎ足そうとしたらしいのですが、はてさてどうなったことやら、その後見ていません。
良く私は、そんなに色々楽器作ってと批判されます。
一生一つの仕事に入れ込んでこそ、良い職人になれるのだとも言われます。
しかし木工は木を知って、その動きが分かって、それを加工する技術、木工の場合は刃物つくりですね。それさえできれば、どんな木工もできると私は考えています。
寧ろ、必要なのは感性なのではとも思います。
刃物を作るにしろ、何より大切なのは、実は、火を見る力です。
そして、焼きを入れる水の温度。
いくら形は作れても、この焼き入れの感覚を掴めないと良い刃物にはなりませんから。
勿論工業製品などの刃物は、素晴らしいものもあります。
髭そり用の刃物はあれほどの質を手では、安定して作り出せません。しかし手術で使うメスなどは、いまだに職人技が必要とされているという話も聞きます。
手の技術そして手の感覚というのは、一品物の刃物を作る時には必要とされます。
そうでないなら、量産品のヴァイオリンや楽器は、職人が一品づつ作る楽器より良いものであるはずなのです。
しかし今やAIの時代ですね。
もしかすると、いずれは工業製品の楽器が、ストラデバリウスを抜くのかもしれません。
もしかすると、光舜松脂より優れた松脂も作られるかもしれません。
なにしろ光舜松脂はまさに、私とネオちゃんの個人的な技術で作られるからです。量産は全く今のところ出来ません。
もしかすると、こんな手技にこだわれる、最後の時代を私は生きて
いるのかもしれません。
それなら一層、今残りの人生、手技にこだわり、松脂もヴァイオリンも、胡弓も二胡も、全部作っていこうと考えています。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
今日から松脂作りも再開します。


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