二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

楽器屋の役割その4 良い楽器の紹介

2011-09-22 10:35:25 | ■工房便り 総合 
自分にも弾けそう。

この音がとても癒しになる。

二胡の音大好き。

こんな感じで始められる楽器と言うのはそんなにあるものではないですね。

確かに、元々は、中国の民族楽器だった二胡なのですが、

今では、中国だけではなく、東南アジア一帯に広がり、ヨーロッパにも盛んに輸出されていると聞きます。

ヨーロッパには年間1万台と言われています、中国のメーカーでは今や日本の市場は少ないから、後回しで、まずヨーロッパにと言うはなしだそうです。

そうそう、ヨーロッパにということで思い出すのが、二胡の音に対する欧米人の受け取り方の違いです。

どうも、欧米人には、二胡の音は雑音にしか聞こえないということが有りました。

全ての人ではないと思いますが、もちろん。

私の渋谷の店、¥バーは、、外人の比率が非常ーに高いのです。

ほぼ70%は、外人です。

意外と、ヨーロッパ系が多く、次にオーストラリア、ですかね、ジェニー(ONOの奥さん)がアメリカ人の割に、アメリカ人は少ないです。

彼らにたまに二胡の演奏を聞かせますと、一番受けるのは、「賽馬」です。

あのアップテンポと、馬のいななきですかね?

静かな、それこそ、ヨウカンサンジョウ、等は、「何?それ」という感じです。

色々彼らと話して見ると、彼らに虫の声が、良い音色という風には感じないのと同じくらいに、二胡の音は良い音ではないそうです。

クリアーではないという事のようです。

元々、ヨーロッパ系の音と言えば、金管楽器でしょう。

ホルン系の音というのはヨーロッパ発生なのではないでしょうか。

メソポタミア起源とも言われていますが、アジア系ではホルンのような楽器はないように思います。

バイオリンは、アラブ系のレバブですし、ギリシャには、ハープは有りましたし。

世界各地で様々楽器は有ったのでしょうが、金属木の制作技と言う点で、ヨーロッパは

比較的古くから金属の管楽器が有ったようです。

(これはちゃんと調べたわけではないので、もし他のご意見があれば教えて下さい)

まあ、現代のオーケストラの楽器群自体、ヨーロッパ発生ではない楽器も多いのかもしれませんが、

17世紀以来の楽器の改良という点で、完成度の高い楽器群が、ヨーロッパで出来上がったのは確かなようです。

と話は飛びましたが、彼らと話していて、もっとクリアーな音の方が彼らの好みに合うようです。

にもかかわらず、最近ヨーロッパに、二胡が進出している理由の一つに、中国の有るメーカー製作の二胡が有るようなのです。

この二胡、中国で金賞を取ったそうです。

この二胡の製作コンペについては、出来レースだのと色々良くない話も付いて回りますが、

私がこの何年間かの、賞をとった楽器たちを色々弾かせてもらったり、他の人の弾いているのを聞いたりしても、流石に賞をとるだけの音はします。

出来レースにしても、ホントに実力伯仲という感じなのではないでしょうか、

音は感覚的な部分が多いですから、100分の1秒をはっきり決められる、スポーツとは違います。

と、話が飛びました。

この賞をとったという二胡、音がクリアーで、簡単に初心者でも、良い音がします。

長年、弾いてきた人ではないと出ない音が簡単に出ます。

かなり発音の仕方が、バイオリン等に近いというのは有るかもしれません。

ですから、今までの二胡のように、弓を引いてから、多少音が出るのにかかるということも無く、だれでも良い音がします。

また、このメーカーの良いところは、値段が安いからと言って、雑音など出ないことです、

値段の差というのは、あくまでも木や皮の使用材料の差であるということです。

中国でも、楽器つくりはどんどん改良を重ねているのだと思います。

楽器屋の役割の一つに、よりよい楽器の紹介というのが有ります。

そういう意味で、

この楽器の紹介というのを、いつの時点でか、光舜堂でもやりたいですね。

また、二胡を作っているのは私だけではないと思います。

良い楽器、面白い二胡、変わった二胡等、色々作られている方も、日本の中には沢山いらっしゃると思います。

その方たちの二胡、集まってもらって、発表会などもしたいですね。
(もし、このブログを読んでいる方、或いは周りに二胡作っていらっしゃる方いらっしゃれば、コメントにご連絡ください。一緒にやりましょう。)


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4 Comments

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 (春嶺)
2011-09-22 22:37:41
もしその雑音が出ず、初心者でも美しい音が出るという二胡が目の前にあるなら
弾いてみたいです^-^
(きっとわたしならどんなに素晴らしい二胡でも雑音が出るんでしょうが^^;)




先日ふと思いついたんです。
「蛇が高いなら鮭は?鮭皮で衣服や靴があるのに・・・」と思ったら作った(てる?)
二胡製作者さん、結構いるんですね。



いろいろある中のひとつの二胡製作者さんブログには




蛇皮の場合、皮張りしたばかりの皮は、硬く、張りが強いため、音質・音色は硬く、
鋭い感じがします。
柔和な趣のある響きが出てくるのに1~2年ほど時間がかかります。
今回の鮭皮の場合、15分ほどの演奏で硬さも和らぎ、音量もあり、
明朗にして清らかな音色がでました。
皮膜が黒っぽく、見栄えが一寸悪いのですが、もう一枚の皮では、裏皮を表にして張ってみようと考えています。


プロの二胡演奏家が試演奏した感想は「中の上」レベルの音質であり、
初心者、初級者、中級者まで使用できる楽器価値は、
十分にあるとの判断でした。
   
二胡を日本で広く普及させるためには、
①日本産の皮膜(発音材料)の使用、
②児童も練習できる安価で良質な二胡の提供、
が絶対に必要です。

鮭皮二胡は、これら条件を満たすものであり、併せて、
海洋国日本の独自の音色を持つ二胡の開発に繋がればと期待しております。


とありました。
これにはわたしも同感です。

「ヴァイオリンやるから」と初めからストラス何某を買う人ばっかりじゃないですし、
やってみよう・やらせてみようと思う時に手軽に手にし易く、
弾き易く音がそれなりに良ければ本当にいいですよね^^


「やってみようかな?でも続くかな?続けられても高価な物は買えないな;-;」
という母子家族のわたしにも『鮭皮二胡』があればすぐに手の届く二胡のひとつになると思います。



それに・・・
皮自体がカラフルなものが欲しいので
鮭皮着色おk!だといいな・・・^0^
(ド素人の夢です、、、)
返信する
訂正させてくださいm_ _m (春嶺)
2011-09-22 22:46:42
「ヴァイオリンやるから」という人も初めからストラディ何某を買う人ばっかりじゃないでしょうし、
二胡ももっと「やってみよう・やらせてみよう」と思う時に手軽に手にし易く、
弾き易く音がそれなりに良ければ
本当にいいですよね^^



ですm_ _m

(毎回カキコで無知がバレます^0^)
返信する
はじめまして♪ (ぷれ)
2011-09-23 23:39:26
プロの楽器作りの方の生の声がきけて
とても楽しく拝見させていただいております。

>長年、弾いてきた人ではないと出ない音が簡単に出ます。

こ、これゎ・・・5~6年苦闘(?)してきたワタクシにとって
嬉しいようなくやしいような ちょっぴり複雑な心境ですかも(笑)

それでもやっぱり目の前にあったら
試しびきしてみたいですね(^^♪
返信する
ぷれさん (nishino)
2011-09-24 08:34:30
コメントありがとうございます。

どんな楽器でも、そうですが、良い楽器は、初心者が弾いても弾きやすいのだと思います。

楽器作りはそれを目指しますから。

一度光舜堂にいらして下さい、

色々な楽器有りますよ。

50年前の二胡とか、これもとても弾きやすいです。
返信する

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