たまたまなのかどうか??
このところ馬毛の張替えという事でお客様から「弓毛馬ボロボロになってしまって沢山切れて、黒毛に張り替えてください」という御依頼があった中で、これらの地域から続けてボロボロになってしまった弓が来ました。

随分たくさん切れてしまっています。
弾いていて、弱くて切れた馬毛ですと、わりと真ん中あたりで切れるものが多いのですが、これらはみな手元のところあるいは先端の馬毛が束になっているところでバッサリ。
このあたりに湿気はたまりやすいですね!
すると,金沢。能登 。富山というのは湿度はどうなのでしょう?
しらべてみると、日本でも湿度の高い地方に入るようなのです。
平均が、72% 東京あたりが62%。
梅雨時湿気でいつもブツブツ私は言っていますが、東京は湿度低い方なのですね。
弓毛は以前から書いていますように湿度に弱いです。
以上の地方がいくら比較的湿気の多いというのがあったとしても、現在の住宅環境から行くと、、、となどと考えますが、
24時間空調完全密閉型の住宅でない限り湿度は防げないでしょうね。
いわゆるコンクリートの完全密閉されたマンションなどでも、意外と湿気の多い場所はあるのです。
コンクリートの場合コンクリートが打ちあがってから、数年はコンクリートの壁そのものに水分がたくさん含まれています。いくら内装が石膏ボードで覆われていても部屋の風の回らない場所には随分と湿気がたまっているはずなのです。
今回たまたまなのかどうか、同じ地方から同じように毛切れの弓が来たのは湿度の高い地方だからという事もあるかもしれません。
でもみなさん同じなのはケースの中に入れっぱなしでしばらく使っていなかった。
多分こちらの方が大きい要因だとおもわれます。
くれぐれも弓も楽器も空気の流れるところに保存しましょう。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ