二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

音色を取るか?パワーを取るか?

2023-11-02 11:53:05 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
木の違いは別にして、この二つの二胡の胴に、形状に違いがあります。
それは胴の一番へこんでいる位置が違うのです。
左の花紫檀の一番へこんでいるところは胴の後ろから計って50ミリです。
花梨の中国製の二胡は55ミリなのです。
このへこんでいる位置の違いというのは昔から徐々に変わってきています。
所謂古楽器にはいろいろありますが、今から50年ほど前、現在の二胡という形が作られたころにはおおよそ、65ミリほど、要するに胴の真ん中あたりが一番へこんでいるものが多かったように感じます。
これ、何が違うかと言いますと、楽器のパワーが違ってくるのです。
大きく振動するのは胴の後ろから40ミリくらいです。
これは鳴尾さんが今使っているCDM、とにかく鳴る楽器が欲しいという事で作った二胡です。
これは2000人の会場で生音で一番後ろの方へまで音が届いたそうです。
この胴のへこみの位置が、真ん中に近ければ近いほど音色を感じさせるなり方をします。
へこみの位置が後ろに下がれば下がるほどパワーを発揮します。
このへこみの位置、現在でも各メーカーによって色々違いがありますが、おおよそ58ミリから53ミリくらいまでのようです。
ただ木の質によっても音色の表れからが変わります。
十分密度がある木だとしたら、50ミリくらいのパワー優先のへこみ一fだおつぃても音色も良く響くのです。
本当は、木の密度によって変えていけば音色も良いパワーもあるという楽器が出来上がるのでしょうが、今機械生産で同じ型で作られている二胡は木の密度の違いが大きく音色の出方、パワーの出方に関わっているようです。
本来楽器は手で一台一台をこのように考えながら作るべきものだとは思うのですが、そうなると金額だけが上がってきてしまうのでしょうね。
このようなマニアックな事皆さんには興味はないのでしょうが、今改めて二胡の作り方をネオちゃんという大変優秀なもの作りの卵に教えようとするとき、私自身が様々に二胡造りの考えをきちんとしていかなければいけないと。それこそ負うた子に教えられです。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ・ネオ
Comment    この記事についてブログを書く
« 現在発売されている光舜松脂... | TOP | 金沢 能登 富山! »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 二胡の救急箱に書かなかったこと