片蔭ベンチの風をほしいまま
昨日は仕事をそそくさと切り上げて一路句会へ向かう
大磯の鴫立庵、日本の三大俳句道場の一つ
仕事場からすればかなりの道のりなのですが・・・
好きな事にはましぐら・・・?
また連衆の多くの佳句に出会った。
吟行句を主とする句会であり、その観察眼は句歴に関係
なく素晴らしいものがあります。またそれぞれの発見も
拝見し改めて個性のありようを感じました。
ただその観察が行き届いている故に執着が句を重くして
いる傾向にあると感じます、昔ある先輩に「銀杏拾いの句」
「桃作りの句」なんて冷やかされました。つまり何でもかんでも
拾ってきてしまうのか、美味しく頂く為に剪定をするのかと
云う事だと思いますが・・・
色々な俳句の指導書には上達への近道なるものがあります
でも私の感じる限り修練を重ねる以外に他無いと思っています
句会の終了後の反省会。実はこれが一番の楽しみなのです。
句会での最高得点者やそうでない者が冷静になる時間で
客観的に自分の句を見られ、また他の人から「ここをこしたら」
と言った意見を身近に聞く事が出来ます。これも大切なこと
没句の積み重ねが佳句に届く近道かも知れません。
没句を詠んだ者はその理由を理解し、いつまでもいじくらない
高点句を詠んだ者は固執せずすぐに捨てる
これが俳人の意気だと思っています。
選句においては「何となく良かったから」という選はもう辞めて
間違っていてもここがいいと述べる。「ここがいい」という意見
が無ければ自分の句の良さ、いいたい事が人に伝わらない
のでは無いでしょうか?
ここの句会の連衆の進歩は目覚しく、またそのやる気に圧倒
された一日でした。
草庵の土間にさゆらぐ蚊遣りかな
焦翁の碑碣に梅雨の苔光る