( 花桃 )
花桃の蕊をあらはに真昼時 飯田蛇笏
山碧し花桃風を染むばかり 飯田龍太
花桃やこんこんと月上がりをり 吉田鴻司
☆ 花と桜
これもお陰というのだろうか、不況と言う流行にも乗って今年は多くの
桜の花を見て周った。
そして俳句作家の悲しさと言うのだろう、句を詠まずにはいられなくなる。
秀拙は兎も角、句数も多い春となった。
詠み重ねてゆくうちに「花」と「桜」の感覚的な違いを感じるようになった。
私だけかも知れないが、それは数的なもの。
「桜」と詠えばその樹または二三本を思い
「花」と詠えば、全体的な花の景色を思う。
ころころの力の無さかまだ取り合わせの句が多いのは仕方ない
何時か胸張って紹介できる桜の句が詠めると信じる事にした。