( きらんそう・地獄の釜の蓋 )
伊賀に来て摘めり地獄の釜の蓋 栗田やすし
今日は兄(俳号 野仏・忌日は25日)の七回忌の法要、全く月日の流れは
早い。存命ならばきっと良きライバルだったはずが、兄の逝き先は天国で
あっても、逆縁に残された父母,姉、そして妻子には地獄の悲しみだった。
今までもこれからも、私なりに兄を背負って俳句を続けて行くつもりである。
1982年「奴凧」句会報 4月号より
雛菓子の少しちらばる水子仏
現世の水をかけあふ浅利かな
霊峰に雲近くして初桜
たをやかに古墳をつつむ朧かな
春林に傾く馬頭観世音
春雷の野に残されし石仏
花冷えの木目たしかな微笑仏 宇佐美野仏
子の指を発つて忌日の天道虫 ころころ