( 葉牡丹 )
葉牡丹を大玄関に用始め 小川真砂二
葉牡丹の渦一本にあふれたる 西島麦南
葉牡丹に植ゑ替へられし港かな 黒田杏子
葉牡丹の渦日輪をまきこみぬ 木下倭子
葉牡丹にうすき日さして来ては消え 久保田万太郎

伊吹嶺 1月号より 
遠峰集
山頂へ吹かれて風のすゝきかな
牛の背を秋夕焼けのすべり落つ
綿の実のはじけて月夜続きなる
鞴祭美濃一の宮晴れ渡り
冬空へ刀匠背筋正したる
舞殿に湯玉走れり鞴祭 下里美恵子
伊吹集
絵硝子のタンゴ喫茶や秋深し
山荘の鉄扉に家紋照紅葉
ベンガラの屋根の農家や柿紅葉
雁渡る離島に隠れ那蘇の墓 栗生晴夫
葉牡丹を大玄関に用始め 小川真砂二
葉牡丹の渦一本にあふれたる 西島麦南
葉牡丹に植ゑ替へられし港かな 黒田杏子
葉牡丹の渦日輪をまきこみぬ 木下倭子
葉牡丹にうすき日さして来ては消え 久保田万太郎



遠峰集
山頂へ吹かれて風のすゝきかな
牛の背を秋夕焼けのすべり落つ
綿の実のはじけて月夜続きなる
鞴祭美濃一の宮晴れ渡り
冬空へ刀匠背筋正したる
舞殿に湯玉走れり鞴祭 下里美恵子
伊吹集
絵硝子のタンゴ喫茶や秋深し
山荘の鉄扉に家紋照紅葉
ベンガラの屋根の農家や柿紅葉
雁渡る離島に隠れ那蘇の墓 栗生晴夫