1月 7日

2012-01-06 23:32:29 | Weblog
           ( 人日の節句・七草粥・七種 )



七草粥に能登塩田の塩ちらす            細見綾子


我庭に春七草の一つ欠く             阿部みどり女


川見つつゆくななくさの雨の中          岡本 眸


七種の過ぎたる加賀に遊びけり          深見けん二








人日の手の平に汲む神の水             川島維春


人日の厨に暗き独言                角川源義


人日の粥さみどりに噴きこぼれ           田中俊尾



 伊吹嶺 一月号より 


遠峰集

校庭の一坪の田に鳥威し
薯掘りに飽きて園児の泥遊び
売り声は女ばかりやべつたら市
釣銭に麹の匂ひべつたら市
手でぬぐふ鏡の曇り今朝の冬           関根切子


伊吹集

ハンモック色なき風の揺らし過ぐ
色鳥や戸ごとに吊すみすヾの詩
みすヾの碑めぐる小径の秋日差し
実南天みすヾ生家の投句箱            平 千花子











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1月 6日

2012-01-06 00:34:03 | Weblog
             ( 寒の入り )

今日6日は寒の入り、4日後の10日は寒四郎、9日目の15日を寒九と呼びます
寒四郎、寒九とも農事からきているようで特に寒九の雨、寒九の水を季語として詠みこむには
それなりの緊張感をもって詠む必要に思います 俳句を詠む人として寒の入りから約一ヶ月
寒を身近に楽しめれば良い句が授かるかもしれません


寒の空ものの極みは青なるか


寒の水念ずるやうに飲みにけり      細見綾子







約束の寒の土筆を煮て下さい       川端芽舎


友禅を流す百万石の寒          伊藤三十四


老の眼のものよく見えて寒四郎       小松崎爽青


仏にも寒九の水をたてまつる        森 澄雄


ひたひたと寒九の水や厨甕         飯田蛇笏



 伊吹嶺 一月号より 


遠峰集

綾子碑の胸に張り付く赤とんぼ
師弟句碑繋ぐ走り根秋うらら
金柑の熟れて明るし鵜沼宿
農小屋の屋根に弾めり樗の実
踏み崩す大根畑の土竜塚          矢野愛乃


伊吹集(一月巻頭)

紙芝居見る秋草の土手に坐し
湧くごとし鵜山の空の赤蜻蛉
鵜の山の荒れ放題や葛の花
満月へ開け放たれし写経堂         横井美音





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