１０月 １１日

　　　　　　　　　　　　　　（　　棉・棉摘・棉吹く・棉取・棉の桃　　）



細々暮らす人が作りしか畑の棉　　　　　　　　細見綾子



紡げよと棉ことごとく吹く荒地 　　　　　　　　正木ゆう子



棉の実が弾け三河路晴れつづく　　　　　　　　梅田　葵



棉摘むや窯の煙突見ゆる畑　　　　　　　　　　長江克江



綿の実のはじけて峡の日和かな　　　　　　　　日野圭子



棉吹くや一際あをき朝の空　　　　　　　　　　加藤ゆうや



棉の実の一つ弾けし白さかな　　　　　　　　　　武山愛子



棉打ちの繭まで綿の飛び散りぬ　　　　　　　　　安藤幸子



綿弓を打ちたる宮司綿まみれ　　　　　　　　　　牧野一古



二つ三つ棉吹く学級花壇かな 　　　　　　　　　高須禎子