8月 28日

2020-08-27 13:55:38 | Weblog
                         赤のまま・赤のまんま・犬蓼の花


     赤ままの花摘み集め何とせん          細見綾子


     赤のまま慰霊の丘に吹かれをり         下里美恵子


     良寛の行乞の地よ赤のまま           伊藤旅遊


     湿原の風たをやかに赤のまま          国枝洋子


     赤まんま子供神輿の通る径           武藤光晴


     硫黄山裾に根付きて赤のまま          近藤きん子


     赤のまま色を濃くせり婚の家          太田則子


     高札の薄れし文字や赤のまま          鳥居純子


     赤のまま活くる丹波の小さき壺         服部満代


     ままごとのひとりあそびや赤のまま       菊山静枝


     赤のまま行けし書店に人体図          井沢陽子


     箱根路に雲助の碑や赤のまま          新川晴美



          



     犬蓼もはなだちそろふ芋畠           飯田蛇笏


     山寺の咲くだけふえて赤のまま         高浜きみ子


     犬蓼の花にてらつく石二つ           村上鬼城


     山の田は作らず売らず赤まんま         影島智子


     犬蓼にちりちりと陽が谷底まで         川崎展宏


     ゴム長を穿きてふるさと赤のまま        右城暮石


     われ黙り人話しかく赤のまま          星野立子



          
コメント
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