
書架 2
昨日のブログは旅に同行された連衆のお句について
書きました。今日はそのほか今回の兼題句会の佳句を
書き込みします。
母がりの蚊帳吊る釘の低さかな ◎◎○○○
Tさまのお句、普段からお母さまの身の回りをしっかりと
見守られている作者の優しさが覗えますね。
きっとお母さまは生活のしやすい、高さや位置など
身幅にあった工夫をされているのでしょう。
その工夫を鋭く観察されたTさんのお手柄のお句です。
「母がり」という斡旋はころころには知識不足で出来ません。
Tさんは連句の同人でもあり、語彙の豊かさを俳句にも
活かされ羨ましく思います。
蝙蝠の庚申塚を守りゐたる ◎◎○○○
Aさんのお句、今回の兼題句会のころころの特選1でした。
正直にいうと私は「蝙蝠」をどう俳句に仕立てるか、
分かりませんでした。そしてHさんのお句
蝙蝠や森をそびらに漁師町 と掲句によって勉強させて
頂きました。やはり蝙蝠が見られるという環境は木々が
豊かなところ、昆虫や鳥も多いはずです。
その豊かな命を人間世界の中に詠み込めればと考える
ようになりました。蝙蝠はとても人間世界に身近だった時代
があったのです。掲句は一句の中にその豊かな自然と
庚申塚を大事にされている人々の生活をもみせてくれました。
勉強になりました。
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