11月 18日

2012-11-17 22:54:22 | Weblog
              ( 冬苺 )



冬いちご摘みて猪垣づたひかな      細見綾子


午後は日にとり残されし冬苺         青柳志解樹


冬苺つまむ小さき指ゑくぼ          中村ふみ


冬苺その一粒を食べ余し           大木あまり


蔓ひけばこぼるゝ珠や冬苺          杉田久女







伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



冬苺一粒づつに日のぬくみ         牧 啓子


    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp  
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11月 17日

2012-11-16 22:57:23 | Weblog
            ( 朴落葉 )


鉄錆の重なるごとく朴落葉        沢木欣一


朴落葉少しの風に遠く飛ぶ        細見綾子


朴落葉母が一枚づつ焚けり        栗田せつ子


朴落葉落ちてひろがる山の空       森 澄雄


屋根越ゆる楽しきときの朴落葉       今瀬剛一


踏んでゆく靴より大き朴落葉         高橋利雄




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



朴落葉はりつく雨後の石畳         伊藤範子


朴落葉大き音して重なりぬ         宇野美智子


朴の葉の落つるを待てば落ちにけり    小長哲郎




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11月 16日

2012-11-15 23:14:35 | Weblog
              ( 鴨 )


父と子と鴨に石投げ煙草分け         沢木欣一


鴨討ちの下げたる鴨の目は見ざり       細見綾子


鴨を見るコートの下に喪服着て         深見けん二


さみしさのいま声出さば鴨のこゑ        岡本眸


烈風に向きかへ鴨の陣を敷く          野田節子


遠伊吹水くぼめては鴨着水           加藤 耕子


あけたての筵一枚鴨番屋            大石悦子





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11月 15日

2012-11-15 00:48:33 | Weblog
            ( 落葉・落葉焚・落葉籠・落葉掻 )



頬杖の卓屋根滑る夜の落葉         沢木欣一


一宿す富士の裾野の落葉宿         細見綾子


書斎より落葉尽くせし欅見ゆ         栗田やすし







母許へ落葉千枚踏み戻る           寺井谷子


桜落葉かそけき音を惜しまざる        山田みづえ


夕落葉掃きゐれば色なくなりて        今井千鶴子





伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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夕風に落葉急なる桶狭間           坪野洋子


落葉選る母子とぎれぬ会話かな        田畑 龍


桂落葉甘き香ほのと関所跡          桜井節子


佇めば落葉吹き寄る古戦場          長江克江


落葉道ふんはりと踏む登山靴         藤本いく子



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11月 14日

2012-11-14 00:22:44 | Weblog
            ( 蜜柑・蜜柑山・蜜柑狩り )


保線詰所窓に蜜柑を並べあり         沢木欣一


食卓のみかんに日さす母の家         細見綾子


蜜柑盗みに山猿がくる雨がくる         秋元不死男


海彦をときどき呼んで蜜柑摘           鷹羽狩行


のこりものに福あるみかん一つかな       久保田万太郎







伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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蜜柑選る梁に電球付け足して        伊藤範子


日暮れまで草焼く煙みかん山        白鳥光江


石組の高き輪中のみかん小屋        澤田正子


人の名の思ひ起せず蜜柑むく        上杉和雄




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11月 13日

2012-11-13 00:52:08 | Weblog
             ( 南天の実・実南天 )



南天の実に惨たりし日を憶ふ           沢木欣一


ふるさとに南天の実と石路の花         細見綾子


とやかくの家相を払ふ実南天           能村登四郎


実南天二段に垂れて真赤かな           富安風生


実南天鴎外旧居北向きに              松崎鉄之介




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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艶やかや馬籠峠の実南天          角田勝代


実南天町家に残る屋敷神          日野圭子


表札の墨褪せてをり実南天         山 たけし


実南天朝日に紅を深めたり         関根近子




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11月 12日

2012-11-11 23:13:14 | Weblog
              ( 木蔦・冬蔦 )



石崖に木蔦まつはる寒さかな           芥川龍之介


冬蔦や五箇山の豆腐は縄で吊る         蒲田玉枝


冬蔦のがんじがらめの木に鴉           中丸まちえ


冬蔦や帯〆やわと結ぶ母              榎本眞千




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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冬蔦のからむ欅や遊女の碑           石原筑波



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11月 11日

2012-11-11 00:20:27 | Weblog
               ( 七五三 )


飴袋黒土擦つて七五三            沢木欣一


石段を抱かれてのぼる七五三        檜 紀代


母の着し晴着子が着て七五三        板橋喜美


祝詞聞く足を遊ばせ七五三          川原友江


かくも小さき白足袋ありし七五三       林 翔




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児の足袋の爪先余る七五三         中山ユキ


神域に太鼓響けり七五三           加藤けい子




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11月 9日

2012-11-09 00:02:53 | Weblog
              ( 柊 )


柊挿す若狭の水の通ふ井戸            沢木欣一


柊の花を見し日や眼帯す             細見綾子


父とありし日の短かさよ花柊            野沢節子


柊の花と思へど夕まぐれ              富安風生


柊をさして堅田のまくらがり            大峯あきら



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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ひひらぎの香れる朝子は母に        若山智子


柊の花一枝挿し第九聴く           谷口千賀子



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11月 8日

2012-11-08 00:36:54 | Weblog
            ( 冬 )

ブログの更新が出来なかった昨日が立冬でした


師と並び反故焚きし庭冬に入る        栗田やすし


立冬のことに草木のかがやける        沢木欣一


冬に入る照れる所へ水捨てて         細見綾子






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誓子見し沖にタンカー冬に入る       国枝隆生


手の甲に伸ばすクリーム今朝の冬     太田滋子


立冬やブーツで歩く石畳           関根切子


立冬や音たてて割るチョコレート      奥山ひろ子


ネクタイの固き結び目冬に入る       龍野初心



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