11月 9日

2021-11-09 06:47:32 | Weblog
                       酉の市・酉の町・三の酉・熊手市・おかめ


          十一月の酉の日を順に一の酉、二の酉、三の酉となります 酉の日は十二日ごとですから
          六日以降に一の酉があるとその年は二の酉までと言うわけです
          昔から三の酉がある年は火事が多いと言われています
          浅草の大鷲神社では三の酉の日にだけ火除けのお札が授与されます




          



     裸灯におかめ艶めく酉の市         中野一灯


     青テント小さき熊手飾りをり        鈴木みすず


     おかめ市ギャルの売子の長睫        武藤光晴


     裸火に熊手の千両箱光る          佐藤とみお


     裸灯におかめ眩しき酉の市         森垣一成


     大熊手掲ぐ女の力こぶ           篠田法子


     リヤカーに熊手積みゆく酉の市       菊池佳子


     丼をはみ出す海老や酉の市         ころころ



          


          写真は浅草鳳神社の隣り長石寺の「なでおかめ」その云われは神社の公式HPによれば
          おでこをなでれば賢くなり目をなでれば先見の明が効き鼻をなでれば金運がつく
          向かって右の頬をなでれば恋愛成就左の頬をなでれば健康に口をなでれば災いを防ぎ
          顎(あご)から時計回りになでれば物事が丸く収まると云う
          おかめはお多福とも言われ福が多く幸せを招く女性の象徴という事から縁起が良いとされ
          酉の市の縁起熊手にも江戸より飾り付けられています。
          おかめとは天宇津女命(アメノウズメノミコト)のことと言われております
          神様なんですね




     此頃の吉原知らず酉の市          高浜虚子


     人込みに押されるだけの酉の市       鈴木真砂女


     お多福の一人笑や酉の市          酒井土子


     しかと立つ火消韆や酉の市         水原秋櫻子


     鮨種の彩うつくしき一の酉         能村登四郎


     くもり来て二の酉の夜のあたゝかに     久保田万太郎


     一と二はしぐれて風の三の酉        百合山羽公



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
         マスクの着用を。あと少しです




     
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11月 8日

2021-11-08 05:20:40 | Weblog
                       蜜柑・ミツカン山・蜜柑舟 < 季=冬 >


     お接待皺の蜜柑の甘かりき        沢木欣一


     食卓のみかんに日さす母の家       細見綾子


     漓江下る船に寄りくる蜜柑売り      栗田せつ子


     人の名の思ひ起せず蜜柑むく       上杉和雄


     蜜柑選る梁に電球付け足して       伊藤範子


     生垣の蜜柑の熟るる紀伊の国       則竹鉄男


     きり出せしあとの沈黙みかん剥く     梅田 葵


     蜜柑摘む湖の日ざしを背に受けて     鈴木真理子


     石組の高き輪中のみかん小屋       澤田正子


     日暮れまで草焼く煙みかん山       白鳥光江


     鉄鉢へ蜜柑布施する朝市女        野島秀子


     索道で蜜柑降ろせり山の晴        中村たか




          



     のこりものに福あるみかん一つかな    久保田万太郎


     水軍の島より蜜柑船出づる        坂本孝子


     みかん剥く世事に詳しき指短か      鍵和田釉子


     大足に傾斜踏まへて蜜柑採る       橋本多佳子


     みかん一つ机に乗せて駐在所       斉藤葉子


     蜜柑山の光うづまけり谷かけて      水原秋櫻子


     マスクは鼻に蜜柑は指に人の前      金子兜太



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
         マスクの着用を。あと少しです
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11月 7日

2021-11-07 05:47:54 | Weblog
                        立冬・冬立つ・今朝の冬・冬に入る

          今日7日は立冬、二十四節気のひとつで、冬が立つと書くように、
          冬の兆しが見え始める頃 いよいよ寒い時期に入っていきます
          年末からラニーニャ現象の影響も西日本を中心に予想が出ています
          暖かくしてこの冬をお過ごしください



     立冬のことに草木のかがやける           沢木欣一


     冬来れば母の手織りの紺深し            細見綾子


     師と並び反古焚きし庭冬に入る           栗田やすし


     誓子見し沖にタンカー冬に入る           国枝隆生


     手の甲に伸ばすクリーム今朝の冬          太田滋子


     風紋にわが影長し冬に入る             栗田せつ子


     立冬やブーツで歩く石畳              関根切子


     金魚田に水黒ぐろと冬に入る            竹中和子


     撒餌して雀呼びけり冬立つ日            梅田 葵


     立冬や老いたる母の水仕事             伊藤旅遊


     水門の銹たる手摺冬来る              藤田映子



          



     鯖雲もすでに大鱗冬立つ日             福永耕二


     今朝冬の日当りそめし手水鉢            富安風生


     ガスの炎の力揃ひて冬に入る            岡本 眸


     冬立つよ古洗濯機胴震ひ              百合山羽公


     冬に入る平等院の水の皺              原 コウ子


     まどゐして雨夜をたのしむ冬来たり         森 澄雄


     立冬や窓摶つて透く鵯の羽根            石田波郷




           

         
          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
         マスクの着用を。あと少しです

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11月 6日

2021-11-06 05:51:19 | Weblog
                       茶の花 < 季=冬 >


     茶の花に届きてゐたり窯の影          栗田やすし


     日を恋ふるこれからか茶の花を挿し       細見綾子


     茶の花のほつほつ咲いて事無き日        下里美恵子


     茶の花が咲けり芭蕉の故郷塚          小島千鶴


     茶の花や打ち解けやすき湯治客         朝比奈照子


     夕闇の迫りて白しお茶の花           中山ユキ


     茶の花や寺に百円寄進の碑           武山愛子


     茶の花のほのと香れる宇治の寺         松平恭代


     茶の花や淡き朱唇の観世音           大島知津


     茶の花の咲きつぐ垣や尼の寺          廣島幸子


     茶の花や絵馬剥落の舞楽殿           近藤文子


     茶の花や旗屋に墨の匂ひ立つ          服部鏡子




          



     茶の花にほのとゆくての夕がすみ        飯田龍太


     午後は雨茶の花日和つゞかざる         稲畑汀子


     一輪挿けふ茶の花をほしと思ふ         石川桂郎


     茶の花に押しつけてあるオートバイ       飯島晴子


     茶の花に便り一行など惜しむ          中村汀女


     飯移す香やはればれと茶が咲いて        岡本 眸


     あすは母訪はむ茶の花垣見つつ         関戸靖子



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
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11月 5日

2021-11-05 05:37:19 | Weblog
                       大根・大根畑・大根売・大根引く


     編集者練馬大根さげ来たる         沢木欣一   < 本日5日 沢木欣一忌です >


    

     うつし世をかなしみゐたる大根煮て     細見綾子


     一畝の大根を引き息切らす         栗田やすし


     目が合ひて狸逸れゆく大根畑        清水弓月


     泥大根提げて観音参りかな         上田博子


     二畝の大根育て硯彫る           栗田せつ子


     景品の葉付大根に長き列          小栁津民子


     農学生泥大根を持ち帰る          太田滋子


     収獲す葉ばかり派手な吾が大根       武藤光晴


     弁柄に置屋の名残大根売る         森 靖子


     幼子の掛け声ばかり大根引く        市川克代


     だぶだぶの長靴をはき大根引く       川口敏子


     母の文ひらがな多し泥大根         ころころ



          



     大根引き 大根で道を 教えけり       小林一茶 


     坊さんのにこにこ顔や大根市        星野麥丘人


     大根の土出し肩に日当れる         星野立子


     大根に金賞つきて農業祭          福川悠子


     大根売る八百屋ありけり中華街       深見けん二


     伊勢大根斎宮趾に肥えにけり        阿波野青畝


     流れゆく大根の葉の早さかな        高浜虚子



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
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11月 4日

2021-11-04 05:18:17 | Weblog
                       枇杷の花・花枇杷 < 季=冬 >


     歳月の屋根のなだれを枇杷咲けり          細見綾子


     妹病めりガラス戸越しの枇杷の花          沢木欣一


     枇杷の花久女の里の昏れはやし           栗田せつ子


     裏木戸に人来る気配枇杷の花            下里美恵子


     ふるさとの路地に迷へり枇杷の花          矢野孝子


     寄木屋の木屑の匂ひ枇杷の花            国枝洋子


     帰宅時間告げ合ふ夫婦枇杷の花           山 たけし


     一葉の柔き筆あと枇杷の花             武藤光晴


     寺屋根に緑青浮けり枇杷の花            清水弓月


     花枇杷の枝が張り出す休め畑            北村美津子


     火袋に隠し十字や枇杷の花             廣島幸子


     枇杷の花捨て来し畑のこと想ふ           近藤文子



          



     遠ざけし人恋ふ枇杷の咲きてより          鷲谷七菜子


     鉄橋の影が白洲に枇杷の花             飯田龍太


     枇杷の花らしからぬこの純白は           夏井いつき


     病む妻に嘘いくつ言ふ枇杷の花           能村登四郎


     枇杷咲きぬ面影知らぬ生母の忌           林 翔


     旅に獲し言葉一つや枇杷の花            石田波郷


     枇杷咲くやくろずむ梁の聖母像           原 俊子



          

          すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
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11月 3日

2021-11-03 06:10:55 | Weblog
                       文化の日・文化祭 ( 旧明治節 )


          文化の日(ぶんかのひ)は、日本の国民の祝日の一つ、 明治天皇の誕生日にあたり、
          明治期に天長節、昭和初期に明治節として祝日となっていた日、この日は各地で
          文化祭も行われるはずなのですが、コロナの影響で中止になった行事も少なく有りません



      筆立に天眼鏡や文化の日            栗田やすし


     折皺の国旗かかげて文化の日          上杉美保子


     百円の詩集売る娘や文化祭           中野一灯


     校長が餅の手返し文化の日           長崎眞由美


     外つ国の船の汽笛や文化の日          武藤光晴


     折り紙の花束受くる文化の日          田嶋紅白


     明治屋にフランスパン買ふ文化の日       角田勝代


     文化の日古紙回収の車過ぐ           片山浮葉


     声援に忘れし台詞文化祭            花村富美子


     園児らとお茶会ごつこ文化の日         河村惠光


     老眼鏡でさがす「鬱」の字文化の日       篠田法子


     軋みつつ止まる江ノ電文化の日         ころころ



          

          300年以上続く俳諧道場鴫立庵です、湘南発祥の地を示す史跡で
          西行法師ゆかりの地として知られる大磯鴫立沢のほとりに建てられています。
          庵内には、鴫立庵室、俳諧道場、円位堂、法虎堂、観音堂があり、80以上もの石造物が安置されています。
          京都の落柿舎、滋賀の無名庵と並び、日本三大俳諧道場といわれています。
          愛知の俳句の先輩、仲間と句会をしました




     墨すれば埴輪のゆるる文化の日         秋元不死男


     文化の日幹は画鋲をあまた刺          福永 耕二


     文化の日誰も癒えよと言ひ去りぬ        石田波郷


     婆ひとり臼を廻せり文化の日          五所平之助


     明治節父の藏書のカーライル          福島壺春


     文化祭八岐大蛇の尻尾の子           文挟夫佐恵


     手話劇に手話の拍手や文化の日         篠田悦子




          

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11月 2日

2021-11-02 05:27:43 | Weblog
                        山茶花 < 季=冬 >


     山茶花は咲く花よりも散つてゐる           細見綾子


     山茶花に遺影の眼鏡はし光る             沢木欣一


     烈公の蟄居の庭や白山茶花              栗田やすし


     山茶花や縁切状の女文字               矢野孝子


     山茶花の冷たさに触れ父を恋ふ            倉田信子


     山茶花の闇へ火を噴く登り窯             朝生孝子


     白山茶花お百度石に薄日差す             菊山静枝


     散り敷きてなほ山茶花の花盛り            熊澤和代


     山茶花の真赤一輪朝の卓               花田紀美子


     湯けむりに濡れて山茶花艶めけり           前田昌子


     白山茶花かくれ信徒の水汲場             澤田正子


     山茶花のうすくれなゐや久女句碑           金田義子



          

          



     山茶花の咲くだけ咲いて星出づる           永井龍男


     山茶花の散る月光に畳職               黒田杏子


     小鳥来る山茶花一つ花咲かせ             山口青邨


     山茶花のこぼれつぐなり夜も見ゆ           加藤秋邨


     山茶花の夕日ひとひら剥がれけり           林 翔


     山茶花の大輪旦暮おだやかに             中村汀女


     山茶花に戀ならで病める女あり            正岡子規



          

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11月 1日

2021-11-01 06:05:22 | Weblog
                       新蕎麦・走り蕎麦


     ねぶた絵を飾る山家や走り蕎麦         矢野孝子


     芭蕉道あまた巡りて走り蕎麦          都合ナルミ


     大津絵の鬼新蕎麦の湯気被る          上田博子


     大食ひの番付表や走り蕎麦           森垣一成


     丘の上は郷の境や走り蕎麦           武藤光晴


     走り蕎麦酒一合にほろ酔へり          鈴木みすず


     一人居の友に土産のはしり蕎麦         塩坂恵子


     乗換への駅は塩尻走り蕎麦           安藤一紀


     新蕎麦やそぞろ歩きの浅草寺          武長脩行


     打ちくれし長寿祝ひの走り蕎麦         青木信子


     岡持で新蕎麦届く楽屋口            野島秀子


     走り蕎麦壁に城主の借用書           平松公代



     

     

     川越の百丈です、この建物は1999年有形登録文化財になっています
     川越はうなぎも有名ですがここの手打ち蕎麦は絶品、蕎麦屋さんのお酒のあては
     栃尾揚げ、アツアツで佳句が生れる事間違い有りません
     もちろん酒は川越が蔵の鏡山です




     新蕎麦に句に酒に論に責らるゝ         河東碧梧桐


     ふるさとの味かくれなし走り蕎麦        細江大寒


     佛なる父に一椀走り蕎麦            山崎 喜八郎


     新蕎麦を打つ昼酒のうまき頃          角川春樹


     新蕎麦を打つてもてなす髪鄙び         杉田久女


     住み馴れし峡に贅あり走り蕎麦         外山智恵子


     走り蕎麦老舗奥行深きかな           水原春郎



          

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