８月 １１日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　墓参・墓掃除・墓洗ふ・掃苔



　　　　　　　　　　墓参り戸棚の奥の下駄出して　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　母のなき家には寄らず墓洗ふ　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　わが為の墓誌の余白や墓洗ふ　　　　　　　　　　田畑　龍


　　　　　　　　　　いつまでも小さき妹墓洗ふ　　　　　　　　　　　茂木好夫


　　　　　　　　　　掃苔やとうに越えたる父母の年　　　　　　　　　平　千花子


　　　　　　　　　　母と来て草の匂ひの墓洗ふ　　　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　肌洗ふごとわが墓を洗ひけり　　　　　　　　　　鷲谷七菜子 


　　　　　　　　　　薬罐二箇塩一と握り墓掃除　　　　　　　　　　　後藤比奈夫


　　　　　　　　　　掃苔や手をついて引く旱草　　　　　　　　　　　後藤夜半


　　　　　　　　　　山中に水を惜しまず墓洗ふ　　　　　　　　　　　鷹羽狩行


　　　　　　　　　　掃苔や隣の墓は知らぬ人　　　　　　　　　　　　深見けん二


　　　　　　　　　　酒強く無口な人の墓洗ふ　　　　　　　　　　　　鈴木真砂女



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


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８月 １０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　秋海棠・断腸花・相思草・瓔珞草・八月春



　　　　　　　　　　　　　　　中国の「採蘭雑誌」に描かれている「断腸花」の由来
　　　　　　　　　　　　　　　昔、さるところに、美しい婦人がいた。この女性には誰にもまた何物にも換え難い思慕する男性が
　　　　　　　　　　　　　　　あった。そして毎日の逢瀬を楽しみに待っていたのであったが、故あってその彼氏はどうしても訪れる
　　　　　　　　　　　　　　　ことができなくなった。それを知らずに、婦人は今日は見えるか、明日は姿が、と北面の墻に待ち
　　　　　　　　　　　　　　　あぐんでいた。そして日ごとにそそぐ断腸の涙がいつか凝って名も知らぬ草が生え、その草の花の紅色が
　　　　　　　　　　　　　　　、その緑の葉に映ってまことに美しく、やさしく、ちょうどこの美しい女性にも似ているので、誰いう
　　　　　　　　　　　　　　　となく断腸花と呼ぶようになった。



　　　　　　　　　　女去つて秋海棠の茎紅し　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　秋海棠映る池面に浪のしわ　　　　　　　　　　　清水弓月


　　　　　　　　　　描き遺す妻の裸婦像断腸花　　　　　　　　　　　上杉和雄


　　　　　　　　　　秋海棠咲くばかりなり尼の寺　　　　　　　　　　小栁津民子


　　　　　　　　　　秋海棠瀬音高まる城下町　　　　　　　　　　　　早川文子


　　　　　　　　　　忌の近き子規の机に秋海棠　　　　　　　　　　　岸本典子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　雨ながら朝日まばゆし秋海棠　　　　　　　　　　水原秋櫻子


　　　　　　　　　　秋海棠母を大事の家のさま　　　　　　　　　　　中村汀女


　　　　　　　　　　美しく乏しき暮し秋海棠　　　　　　　　　　　　富安風生


　　　　　　　　　　断腸花妻の死ははや遠きこと　　　　　　　　　　石原八束


　　　　　　　　　　断腸花いい服を着て別れよう　　　　　　　　　　星野石雀


　　　　　　　　　　秋海棠口紅つけし母知らず　　　　　　　　　　　田中英子




　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


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８月 ９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　台風・颱風・台風禍・台風過　＜　季＝秋　＞



　　　　　　　　　　　　　　北大西洋か南シナ海あたりに発生する熱帯低気圧で、最大風速が約毎秒十七メートル以上のものを
　　　　　　　　　　　　　　言います。例年ならば二百十日（2023年は9月1日）の実りのころに日本を襲い、深甚な被害をもたらす
　　　　　　　　　　　　　　こともしばしばで今年はすでに6号が多くの洪水、土砂災害をもたらせていますまた南の海上には
　　　　　　　　　　　　　　すでに7号が発生して北上をするとか、どうぞ事前の構えを怠りませんように



　　　　　　　　　　颱風一過女がすがる赤電話　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　台風裡駅で靴より水こぼす　　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　台風裡柱時計の不意に鳴る　　　　　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　台風圏江戸川の波さかのぼる　　　　　　　　　　　玉井美智子


　　　　　　　　　　台風禍鳥居に船の擦れし跡　　　　　　　　　　　　小長哲郎


　　　　　　　　　　台風裡塩の効きたるにぎり飯　　　　　　　　　　　幸村志保美



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　吃る蝉をり台風の来つつあり　　　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　颱風の来る夜も点ず酒売る灯　　　　　　　　　　　鈴木真砂女


　　　　　　　　　　台風の中へ覚悟のハイヒール　　　　　　　　　　　有坂裕子


　　　　　　　　　　台風来今日の回診夜に入りぬ　　　　　　　　　　　村山故郷


　　　　　　　　　　台風の目の静けさや猫膝に　　　　　　　　　　　　神山 弘


　　　　　　　　　　颱風や四肢いきいきと雨合羽　　　　　　　　　　　草間時彦



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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８月 ８日 立秋

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　立秋・今朝の秋・秋立つ・秋に入る



　　　　　　　　　　8日は立秋です　二十四節気の一つで始まりの日を立秋と言う場合もありますが8月22日までの17日間のことに
　　　　　　　　　　なります　　今日からは残暑お見舞になります



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　急ぐ雲急がぬ雲に秋立てり　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　文机の位置を窓辺に今朝の秋　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　延命水鉄鉢で飲む今朝の秋　　　　　　　　　　　国枝隆生


　　　　　　　　　　秋立ちて風入れ替はる奥座敷　　　　　　　　　　篠田法子


　　　　　　　　　　整理とは棄てきることぞ初の秋　　　　　　　　　丹羽康碩


　　　　　　　　　　立秋の雲の影ゆく大干潟　　　　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　口髭の一すぢ白し今朝の秋　　　　　　　　　　　森　鴎外


　　　　　　　　　　立秋や箱根で逢ひし土佐太夫　　　　　　　　　　中村吉右衛門


　　　　　　　　　　足早に秋来る雨の登り窯　　　　　　　　　　　　古賀まり子


　　　　　　　　　　鏡屋の鏡に今朝の秋立ちぬ　　　　　　　　　　　尾崎放哉


　　　　　　　　　　秋来り魚寄りてくる船の窓　　　　　　　　　　　下田　稔


　　　　　　　　　　秋立てばそれに従ふ天地かな　　　　　　　　　　星野立子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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８月 ７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　稲の花



　　　　　　　　　　クレヨンで塗る青空や稲の花　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　竹竿に乾く鵜網や稲の花　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　稲の花照らす放下の大切子　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　　　　　　光りつつ稲穂の波の移りけり　　　　　　　　　　磯田なつえ


　　　　　　　　　　稲熟るゝ日差し明るし合掌家　　　　　　　　　　掛布光子


　　　　　　　　　　飢ゑし日の遠くなりたり稲の花　　　　　　　　　上杉美保子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　かくれ咲くひとつの蓮や稲の花　　　　　　　　　水原秋櫻子


　　　　　　　　　　山の端に大粒の星稲の花　　　　　　　　　　　　石田郷子


　　　　　　　　　　遠くほど光る単線稲の花　　　　　　　　　　　　桂 信子


　　　　　　　　　　大川を渡れば故郷稲の花　　　　　　　　　　　　沼尻ふく


　　　　　　　　　　遠祖のひとりと会いぬ稲の花　　　　　　　　　　宇多喜代子


　　　　　　　　　　稲の花こぼれてをりし休み石　　　　　　　　　　大野林火



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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８月 ６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原爆忌・平和祭・広島忌・



　　　　　　　　　　今年で７8回目の広島原爆投下の日を迎えました
　　　　　　　　　　私たちが感じている平和は多くの犠牲の上にあることを深く感じなければなりません



　　　　　　　　　　ふち焦げし原爆の日の目玉焼　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　鳩一羽われを離れず原爆忌　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　慰霊碑に日矢いくすぢも広島忌　　　　　　　　　内田陽子


　　　　　　　　　　白熱の朝のみんみん広島忌　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　雲に雲重なり湧けり原爆忌　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　　　　　　目覚めれば胸に手のあり原爆忌　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　電工のいちにち高し原爆忌　　　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　噴水は水の花束広島忌　　　　　　　　　　　　　杉田久美子


　　　　　　　　　　雲灼けて声なき山河広島忌　　　　　　　　　　　伊東宏晃


　　　　　　　　　　直角にわが影が立つ原爆忌　　　　　　　　　　　原コウ子


　　　　　　　　　　原爆落とされし日の屋上の望遠鏡　　　　　　　　池田澄子


　　　　　　　　　　ふんだんに水出る蛇口原爆忌　　　　　　　　　　小川裕子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



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８月 ５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　花火・遠花火・花火舟・打揚げ花火・煙火



　　　　　　　　　　コロナ禍の影響で中止、縮小になっていた花火大火が列島各地で行われています
　　　　　　　　　　これは仕方のない事なのかも知れませんがみんなの空に上がる花火を有料で観覧することは
　　　　　　　　　　残念ですね　



　　　　　　　　　　花火見る茣蓙の上なる一家族　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　大花火しだれて海にとどきけり　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　顔映る夜汽車の窓や遠花火　　　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　フィナーレは煙の中や大花火　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　舟宿の障子にひびく揚花火　　　　　　　　　　　　日野圭子


　　　　　　　　　　花火果て潮の匂ひの路地帰る　　　　　　　　　　　金原峰子


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　魚減りし海に花火を打ちに打つ　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　闇がなほ濃き闇つくる花火後　　　　　　　　　　　能村登四郎


　　　　　　　　　　海女の鶏波止にあそべり昼花火　　　　　　　　　　福永耕二


　　　　　　　　　　体じゅう言葉がめぐる花火の夜　　　　　　　　　　大高 翔


　　　　　　　　　　花火の夜兄へもすこし粧へり　　　　　　　　　　　正木ゆう子


　　　　　　　　　　遠花火終るとみえて矢つぎばや　　　　　　　　　　橋閒石



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　娘家族、家人と次々にコロナ感染　基礎疾患持ちのころころがホテルに逃避行でした



　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイトから一部資料・写真お借りしています</strong>　　　　　　

８月 ２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雷・雷鳴・雷雨・遠雷・日雷・はたたがみ



　　　　　　　　　　ご承知の通り、雷と稲妻雷は夏の季語、稲妻は秋の季語になっています雲の中での火花放電現象が稲妻で、
　　　　　　　　　　雷は積乱雲の雲と雲や雲と地表の間の放電現象という事です　稲妻の「稲」稲の生育、収穫に由来することで
　　　　　　　　　　付けられた名称「稲夫」とも書くらしいのですが長くなるのでこの辺で
　　　　　　　　　　（家人がコロナ感染してころころがホテルに避難しております　皆さんのブログ訪問がままなりませんご容赦を）



　　　　　　　　　　海越え来し端書一葉遠雷す　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　遠雷やいま彫り上げし般若面　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　ラマンチャの赤き大地を雷雨来る　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　ひとり居の百ヶ日目や日雷　　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　　　　　　叡山の雲引つ下げてはたたがみ　　　　　　　　　　武田稜子


　　　　　　　　　　遠雷やガレ場に耳をそばだつる　　　　　　　　　　中野一灯



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　山の旅雷の高さで湯を使ふ　　　　　　　　　　　　鍵和田釉子


　　　　　　　　　　遠雷や近きは蝉の音に充てり　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　いかづちの乗る北斎の波頭　　　　　　　　　　　　清家美保子


　　　　　　　　　　金剛山雷ぐせのつきゐたり　　　　　　　　　　　　大島雄作


　　　　　　　　　　上流の雷雨知らせて釣仲間　　　　　　　　　　　　西村正子


　　　　　　　　　　丹波太郎の名残りの雷のひと走り　　　　　　　　　大石悦子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かなとこ雲　（積乱雲の上昇が極限になり横方向に育っています　雷が来そうです）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイトから一部資料・写真お借りしています　　　　　　

８月 ２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雷・雷鳴・雷雨・遠雷・日雷・はたたがみ



　　　　　　　　　　ご承知の通り、雷と稲妻雷は夏の季語、稲妻は秋の季語になっています雲の中での火花放電現象が稲妻で、
　　　　　　　　　　雷は積乱雲の雲と雲や雲と地表の間の放電現象という事です　稲妻の「稲」稲の生育、収穫に由来することで
　　　　　　　　　　付けられた名称「稲夫」とも書くらしいのですが長くなるのでこの辺で
　　　　　　　　　　（家人がコロナ感染してころころがホテルに避難しております　皆さんのブログ訪問がままなりませんご容赦を）



　　　　　　　　　　海越え来し端書一葉遠雷す　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　遠雷やいま彫り上げし般若面　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　ラマンチャの赤き大地を雷雨来る　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　ひとり居の百ヶ日目や日雷　　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　　　　　　叡山の雲引つ下げてはたたがみ　　　　　　　　　　武田稜子


　　　　　　　　　　遠雷やガレ場に耳をそばだつる　　　　　　　　　　中野一灯



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　山の旅雷の高さで湯を使ふ　　　　　　　　　　　　鍵和田釉子


　　　　　　　　　　遠雷や近きは蝉の音に充てり　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　いかづちの乗る北斎の波頭　　　　　　　　　　　　清家美保子


　　　　　　　　　　金剛山雷ぐせのつきゐたり　　　　　　　　　　　　大島雄作


　　　　　　　　　　上流の雷雨知らせて釣仲間　　　　　　　　　　　　西村正子


　　　　　　　　　　丹波太郎の名残りの雷のひと走り　　　　　　　　　大石悦子



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　かなとこ雲　（積乱雲の上昇が極限になり横方向に育っています　雷が来そうです）



　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイトから一部資料・写真お借りしています