秋海棠・断腸花・相思草・瓔珞草・八月春
中国の「採蘭雑誌」に描かれている「断腸花」の由来
昔、さるところに、美しい婦人がいた。この女性には誰にもまた何物にも換え難い思慕する男性が
あった。そして毎日の逢瀬を楽しみに待っていたのであったが、故あってその彼氏はどうしても訪れる
ことができなくなった。それを知らずに、婦人は今日は見えるか、明日は姿が、と北面の墻に待ち
あぐんでいた。そして日ごとにそそぐ断腸の涙がいつか凝って名も知らぬ草が生え、その草の花の紅色が
、その緑の葉に映ってまことに美しく、やさしく、ちょうどこの美しい女性にも似ているので、誰いう
となく断腸花と呼ぶようになった。
女去つて秋海棠の茎紅し 沢木欣一
秋海棠映る池面に浪のしわ 清水弓月
描き遺す妻の裸婦像断腸花 上杉和雄
秋海棠咲くばかりなり尼の寺 小栁津民子
秋海棠瀬音高まる城下町 早川文子
忌の近き子規の机に秋海棠 岸本典子
雨ながら朝日まばゆし秋海棠 水原秋櫻子
秋海棠母を大事の家のさま 中村汀女
美しく乏しき暮し秋海棠 富安風生
断腸花妻の死ははや遠きこと 石原八束
断腸花いい服を着て別れよう 星野石雀
秋海棠口紅つけし母知らず 田中英子
サイトから一部資料・写真お借りしています
中国の「採蘭雑誌」に描かれている「断腸花」の由来
昔、さるところに、美しい婦人がいた。この女性には誰にもまた何物にも換え難い思慕する男性が
あった。そして毎日の逢瀬を楽しみに待っていたのであったが、故あってその彼氏はどうしても訪れる
ことができなくなった。それを知らずに、婦人は今日は見えるか、明日は姿が、と北面の墻に待ち
あぐんでいた。そして日ごとにそそぐ断腸の涙がいつか凝って名も知らぬ草が生え、その草の花の紅色が
、その緑の葉に映ってまことに美しく、やさしく、ちょうどこの美しい女性にも似ているので、誰いう
となく断腸花と呼ぶようになった。
女去つて秋海棠の茎紅し 沢木欣一
秋海棠映る池面に浪のしわ 清水弓月
描き遺す妻の裸婦像断腸花 上杉和雄
秋海棠咲くばかりなり尼の寺 小栁津民子
秋海棠瀬音高まる城下町 早川文子
忌の近き子規の机に秋海棠 岸本典子
雨ながら朝日まばゆし秋海棠 水原秋櫻子
秋海棠母を大事の家のさま 中村汀女
美しく乏しき暮し秋海棠 富安風生
断腸花妻の死ははや遠きこと 石原八束
断腸花いい服を着て別れよう 星野石雀
秋海棠口紅つけし母知らず 田中英子
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