チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

髪を染めないことにした

2019年05月05日 18時26分24秒 | 日記
白髪がちょっとでも目立つと気になっていた
ケミカルな毛染めで頭の地が腫れ上がったり痒くなったりするので
ヘナに切り替えたりもした
しかし根が面倒くさがり屋さん自分で染めることは億劫
そしてまた美容院で染めることになる

嘘をつかないでありのままに生きましょう
と言ってる割には髪が嘘付いてるなといつも後ろめたかった
決心した!

川邉サチコにそれを告げると
「わかった」
今から30年前長い髪を
「ショートにしたい」と告げたときと同じ返事がかえってきた

ここのところ若い男性美容師に浮気をしていたのでサチコさんの美容室に行くのは1年ぶり
部屋に入ると雑誌が積まれていて
「この形はいいけど比佐子さんには合わない」といくつかのヘアスタイルを出して見せてくれた
サチコさんは「もう毛染めをしない」と私が電話を入れたその日からあれこれと考えてくれていたらしい
一時間ばかり問診

「サチコさんに任せればいいやと思っているから私はノーアイデイア」
「だけどうるさいんだからきちんと見てよ」
最終の設計図をお互いに話し合い主張のすり合わせが終わり
「ああやはりね」ということでいよいよカットに取り掛かる

「洗ってみたら思っていたのと違うね一本の毛が白の中に黒が混じっているこれなかなか真っ白にはならないよ途中の設計も考えなければね」
比佐子さんは基本は着物を着る人だからえり足の始末も重要だ
と言いながらあれこれ髪の毛を動かし顔との調和を考えるサチコ

頭を預けているうち眠くなってしまった
「ちょっと一緒に見てよ」と起こされる
「はい」

「白髪を白髪と思わないでその白いところをデザインと思えばいいのよ」

だからわざと出して強調するスタイルにするのもいいね
着物のときはこんなかんじかな?
色んなスタイルを作っているうち
「ね眉の色も明るいほうが良さそうだね」とメイクに入っていく

とにかくこの方はショー舞台や撮影のメイクがお得意なので
「作りすぎないでよ」
「わかってるわよ」

プロってすごいなとつくづく思った
長年一緒に仕事をし作りこんできた共通の美意識

「ああ本気で仕事をしてきた仲間は素晴らしい」と心から感謝

新しい生き方ができる
嘘偽りのない自分を見せていく心地よさを味わった
そして老いていくことの楽しさも見つけることができた

「似合う色が変わってくるでしょう?ちょっと怖いな」
「今までの比佐子さんの着物の色大丈夫だと思うわよもともときれいな色を着てるからいいと思う」
「きれいで優しい色が映えるようになるの?」
「そうよ」
「なるほど」

#白髪 #ヘアーカット #川邉サチコ #中谷比佐子 #着物
コメント
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