チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 150

2019年05月08日 13時34分52秒 | 日記
10連休をいきなり決めてしまった内閣(怖い国になってきた)
大いに楽しんだ人困った方様々
チャコちゃん先生は断捨離中で作業がはかどり感謝
着物の整理もできてこれからこの地球を去るまで新しい着物がいるのかどうなのか

着物は差し上げることは多いがいただくことは殆ど無い
好みがはっきりしていて自分でデザインするか自分で選ぶのしか手を通したくない
人に対する好みはまったくないが着物と洋服は頑固なくらいやかましいバックもだ
食べ物もなんでいただくし好き嫌いはない

このお休み中預かった着物6枚ほどいた
解く必要はなくプロに任せればいいのだが着物を解くことによって仕立てた方の気持を知りたいと思うのが癖
テレビの前に座ると手がかってに着物をほどきたがる
というより胴裏にカビが生えていることが多く早く表と裏を離してやりたいと思う

仕立ての人の手は様々で普通は一時間もかからず一枚は解くが最後の着物はなんと3時間もかかってしまった
針目があまりにも細かくミシンかと思えるほどだ
しかし本場結城紬をミシンで縫うはずはないと思いたいがやはりミシンだろうかと考えてしまう
すべてをぐし縫いのような手で縫い勧めていて精神修行に役立つと苦笑
ミシンでない証拠はしっかりと豆を作っているということだ
因みに昭和40年代のものであった

胴裏にカビが出ないのは輸出羽二重だ
肌に沿う小幅の胴裏は黄変もするしカビも出る
昔の人は春と秋頻繁に虫干しをしていたので胴裏が黄変するようなことはなく
着物にうるさい人は胴裏は小幅と決めていた

広幅の輸出羽二重はもともとスカーフ用に織は動力機で織っているのでセリシンも化學処置ができて真っ白の布になる
しかし
裏地にしたとき特に繊細な糸が表生地の場合はプカプカと風で膨らむ感じがする
その感覚が嫌で胴抜きしたてをする人も多い
そのため小幅の胴裏を好む人も多かった

富豪の御宅の着物は「着るために着物を購入する」というのではなく
「着物を揃える」という感覚の場合が多いようだ
そのためしつけのついたままの着物がタント出てきて驚く

絹は糸が呼吸をし続けているので空気を吸わせてあげなければ死んでしまう
その死が黄変だったりカビだったりする
裏の生地が衰えていることは表も同じように弱っている

こういうめんどうなきもの生活を日本人は長く続けてきた
それはなぜだろうと着物をほどきながら考える
答えはいろいろと出てくるが「ご明察」という答えはまだアチャコちゃん先生出ていない

# 本場結城紬 #着物 #しつけ #チャコちゃん先生 #胴裏 #黄変 #輸出羽二重 #中谷比佐子

コメント
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