チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 151

2019年05月09日 13時54分34秒 | 日記
同年輩、同世代のチャコちゃん先生の友人たちが
「私達もっと声を出さないといけないわね」と言い出した
世代的に姑に仕え嫁にないがしろにされる世代だ
特に育ちの良い家庭夫人はそういう目にあっている

社会に出て働くなんてことはいいところのお嬢さんはしてはいけないことで
「女が大学に行くなんてとんでもない」
同級生で一人東大に入った女友達がいてその後官僚にでもなるのかと思っていたら
さっさと上級生を捕まえて結婚してしまった
「あなた社会のためにならないね」
と同級会であったとき文句を言ったら
「私ただ勉強ができていただけ、なんの取り柄もないの。ヒサコはカリスマ性があるから社会に出たほうがいいと思っていた、絶対影響力があるもの」

へーそうなんだと変に感心した

新婚生活を冷やかしに仲間と訪れたら
白い割烹着を着てせっせとパウンドケーキなどを作り振る舞ってくれた
「彼が着物好きだから母がたくさんもたせてくれたの」
その時は沖縄の久米島絣よと教えてくれた黒地に黄色の絣が散らばっ薫物にオレンジ色の帯が初々しく
「あの秀才がねえ」
「あのガリ勉さんがねえ」
と帰りの途はカルチャーショックが強くバカ食いして気炎を上げた、

その影響はあまりにも強かったのか当時の仲間はみんな完全主婦の道を歩み、姑問題に悩み(家風が違うと徹底的に教育をし直された人達も多い)
その上長い介護生活
そのあとは今度は時代が変わり強くなった嫁に降伏する生活
だから自分の歩いてきた道に自信が持てず
受けた教育を活用することもなく「この先どうしようどう生きよう」という思いが強い

産業革命以上の社会の変革に戦前の教育と戦後の教育の間に育った世代は戸惑うばかり
茶道の名手でも師匠の道を選ぶのではなく
日本の文化に精通していてもそれを仕事にするでなく
着物の着方にまた着物の持つ文化を知っていてもそれをひけらかすこともなく

逆に言えば
「あなた達傲慢よ自分の宝を磨いていないもの自分だけで満足しているもの。今若い人たちは日本の本当の歴史を知りたいのよ、カルチャあーセンターで勉強するのやめなさいよ あなた達のほうが体験豊かよ」

では具体的にどうする
「まずはあなた達が率先して通過儀礼を復活させなさい」
「というのは?」
「お金あるんでしょう?ほらお孫ちゃんのお祝いSさんの長女三歳?お被布かわいいわよね、お嫁ちゃんのきものも作ってあげなさい」
「あちらのお母様がーー」
「バカねそんなこと言ってるから日本の通過儀礼がどんどんなくなっていくのよ」

日本人は祭祀民族でしょう
すべての自然に神宿ると教えてもらったんじゃあなかった?
だからこうやって神様が守ってくださってんでしょう?
そういう感覚を身をもって体験したんでしょうわたしたち?
自分を誇りに思いなさい

自分が親にやっていただいたことを子供や孫にして差し上げなさい。通過儀礼の復活ですよそれであなたは尊敬される

大演説してしてしまったわ('-'*)ホホホ

#通過儀礼 #お被布 #介護 #割烹着 #チャコちゃん先生 #祭祀民族 #嫁 #着物 #久米島紬 #中谷比佐子
コメント
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