チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

着物が繋ぐもの 148

2019年05月03日 11時23分25秒 | 日記
立夏を持って単を着ることにして40年
しかしながら今年ははや今日から(3日)単を着ている
着物に規律を持った先輩たちが少なくなり
口やかましく一重の着物は6月一日からですという注意を受けなくなったのは30年前から
そう平成の御代になって過度な情報活動が激しくなってから
少し古い人たちの口が封じられたように思う

立夏に単を着ていたら非難轟々の嵐にあった
「きものとはーー」という方たちだ
しかし毎日着物を着ている身には25度を超えるともう裏生地一枚が暑い

それでどうして6月まで一重を着るのを待たなければならないのかを調べ上げた
なんと!
明治5年政府はいきなり陰暦から太陽暦に暦を変えた
その年うるう年で12月5日をもって明治6年元旦としたのだ
その時衣服令もだして
各制服は6月1日を持って夏服とし10月1日をもって冬服とすることにした
軍服、学生の制服、車夫、郵便配達人などの制服生活の人たちがそれに習った
どこにも「着物」のことには触れていない

なのに戦後の着物着付け学校や着物関連の学校が着方の教育として
6月一日から一重、7月8月薄物 9月一日から一重 10月一日から袷 11月からコートを切るなどと決めつけた
この決まりが浸透して着物を着る人が素直に実行していたのだ

ある5月の暑い日だった気温28度と町の温度計が指し示していた新宿
バスに乗ろうとしたら汗だくの着物軍団のご婦人たちに
「いくら暑いからってまだ単はいけません」
と注意された
にっこり涼しげに頷いてお辞儀を返したが内心は(汗だくで汗ジミができたらあなた洗ってくださるの?)と聞きたいところだった

今でも雑誌などでこのようなことを書いている御仁がいるが
ここ数年気温の変化が著しく 真冬並みの気温の次が真夏並みという異常さ
こういうときは御身大事気温に沿った着方があってしかるべきだと思う

自分の心地よさが一番

チャコちゃん先生は春は表から軽くし秋は表から厚くする
つまり春は表は一重しかし中はまだ冬物
秋は表は厚手の一重しかし中は夏物
こうやって少しずつ気温と折り合って行くと常に気持ちのいい装いになる

しかし最近は室内の温度も計算に入れないと風邪をひく
冷房が強いところが多くなった

今日は紬の一重、絽縮緬の染帯 帯揚げ帯締め冬物 長襦袢は袖無双の身頃一重 下着は絹の冬物
季節はちぐはぐだけど表は夏景色

#夏景色 #一重のきもの #絽縮緬の帯 #制服 #チャコちゃん先生 #中谷比佐子

コメント
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