本年度1回目の北辰テストが来週に迫ってきました。今回の北辰テストは、まだ入試の際の合否判定には使われることはありませんが、だからこそ、今のうちに北辰テストに慣れておいて、9月以降の「いざ勝負」というときに実力を発揮してもらえればと思います。
今回は北辰テストの過去問の使い方ということで掲載いたしますが、この使い方は一つの例だと思っていただければと思います。「このやり方でやらなければならない」「このやり方が正しい」というわけではありません。一つの例として参考にしていただきたいと思います。
過去問を先にやるタイプ
先に過去問を本番の試験同様に時間通りにやってみて、その結果から学習するところを選んでいく方法です。
昨年度と同じ問題が出るわけではありませんが、出題される分野は共通する点も多いと思います。一度過去問をしっかりやって上で採点し、できなかった分野と同じ分野の問題を受験用の問題集などで復習する、といったやり方です。
直前に過去問をやるタイプ
一度、過去問集サッと見て、どの分野の問題が出ているかを確認します。その上で、その分野の問題を受験用の問題集などで一通り学習します。
一通りの学習が終わってから、時間を計り過去問に取り組みます。過去問を採点したら、間違いが多かった分野などをもう一度受験用の問題集などで復習するといったやり方です。
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過去問を先にやるか直前にやるかは、いろいろな考え方があり、どちらもメリット・デメリットがあるような気がします。時間と複数の過去問があるようであれば、この2つを融合したやり方が一番よいのではないかと思います。
たとえば…
①一昨年の過去問を時間通りに本番のつもりでやってみる。その後、採点をして間違いが多かった分野を洗い出しておく。
※必要であれば、一昨年の北辰テストの問題をお貸ししますので、お申し出ください。
②受験用の問題集(研究と完成・マイクリア・全国精選)などを使い、間違いの多かった分野を中心に学習を進める。
③2~3日前に、昨年の過去問集を時間通りに本番のつもりでやってみる。
④前回できなかったところはできるようになっているか、新たな課題はないかを検証する。
⑤できなかったところや、新たな課題として見つかった分野を、もう一度受験用問題集などで復習する。
このような流れでできれば、一番効果が高いと思います。ただ、このとおりにやっていくと時間がかかります。また、定期テストなどと違って試験範囲が事実上ありませんので、早めに学習を始めておかないと、苦手な分野の学習をすべて終えることはできません。
ですので、早めに取り組みを始めるか普段から一定時間しっかりと学習をしっかりとし、その中に北辰対策を組み込んでいくというのが一番よいのではないかと思います。
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なお、間違えないでほしいのは北辰テストの過去問集に付いている偏差値換算表の使い方です。先に過去問を解くにしても、直前に解くにしても、解いた結果を偏差値に換算して「良かった」とか「ダメだった」と一喜一憂だけするのは、もっともやってほしくないことの1つでもあります。
特に事前の過去問の結果が悪かったからといって、その先の学習をあきらめてしまう、そのようなことだけは絶対にしてほしくないと思います。
では、何のために偏差値換算表は付いているのか。
それは、自分の目標までの正確な距離を知るためだと、私は思います。まだまだゴールが遠いのなら、そこに向かって懸命に頑張る、ゴールにたどり着くために、あとどんな勉強が必要なのかを知る、そのための偏差値だと思います。
今が入試直前ならまだしも、入試まであと320日もあります。受験本番はまだまだ先です。それなのに「もう見込みがない…」とあきらめてしまう、そのために偏差値換算表があるのではないと思います。
自分の描くゴールまでの距離と方向を確かめる、それが正しい過去問の正しい過去問の使い方だと思います。
参考:「基礎からわかる高校入試」 梅野弘之・著(高校入試ガイド編集長、埼玉学力向上協会(UPテスト実施団体)理事長)
埼玉県公・私立高校進学ガイド〈2011年度版〉 |