私は生徒の皆さんに「入試は9教科だよ」という話をします。
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そうすると生徒さんからは「5教科じゃないんですか〜?」という言葉が返ってきます。
実はこれ、どちらも正しいんですよね。
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皆さんは入試の仕組み、ちゃんと知っていますか?
「当日の試験ができれば受かるんでしょ?」と言う人がいますが、これも半分正解で半分は間違いです。
入試の仕組みを知らないと、誤った情報のまま学習を進めてしまい、あとで「しまった!」となってしまいますので、先ずは入試の仕組みを知ることが大切です。
冒頭の9教科の話にもどります。
埼玉県の公立高校の場合は、内申点に当日の試験をプラスして合否を決めていきます。
このうち、当日の試験は確かに5教科なのですが、内申点は9教科が対象になっています。
「なーんだやっぱり試験は5教科じゃん!」と思った皆さん、ここで出てくるもう1つの要素、内申点を甘く見ちゃいけません。
内申点は入試での合否判定の要素として、少なくとも3割、多ければ7割を占めます。つまり内申が低いとそれだけ持ち点が少ないということなので、はっきり言ってそれだけ不利ということになります。
もちろん当日の点数で挽回はできるのですが、あらかじめ取れる内申点をとっておくにこしたことはありません。
そしてこの内申点、9教科だということ、これを忘れてはいけません。
埼玉県の場合、5教科と実技4科は内申点上は同等評価です。つまり、数学で5を取っても音楽で5を取っても、全く同じ評価になるということです。そして、使われる数字は9教科の合計。
だから、期末テストでは9教科しっかりと得点できるようにすべきですし、音楽や美術などの授業も大切になってくるわけです。
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「実技4科の内申が悪くても、なんとかなるのでは?」という考えもあります。
確かに当日の点数で取り戻せば可能ではあります。
しかし、いいかどうかは別として、入試とは1点を争うものでもありますから、内申も高ければ高いほど、それだけ有利なのは間違いありません。
さあ、これで分かってもらえましたか?
入試はある意味において9教科であるということ。
どうしても当日の点数を取ることに目がいきがちですが、あらかじめ取ることのできる内申点を取らない手はないわけです。
5教科だけでなく9教科をしっかり学んだ生徒、言い方を変えれば、中学生活をしっかりと充実して送った生徒が有利になるようにできているといえます。
これは加点項目を見てもその意図が明らかですね。
ということで、まずは皆さん、入試の仕組みをきちんと学ぶことから始めていきましょうね。