仲間の結婚式に出席するために南米から一時帰国していた友人と話をしていたら、映画『告白』を見たという話になった。
CMのイメージで、「復習の映画だよね」などと言ったら、「まあ、そうだね…」という反応で、何だか気になっていた。そう、『Mother』の継美、芦田愛菜ちゃんが出演しているのも気になっていた。
当初の予定を少し変更し、映画館に寄った。久しぶりのシネコンは、座席の背が高く、後ろの人を気にしなくてもいいのがありがたい。
今まで見た映画の中で1、2を争う恐ろしい作品だった。端から恐ろしい作品だと知っていたら見ないタイプなので、予防線を張っていなかったこともあるが。ちなみに、今まで最も恐ろしかった作品は『リリィ・シュシュのすべて』と言ったら、僕のその基準が伝わるだろうか。
人と人とが共に歩いていたら、互いに影響されないなんてことはないだろう。僕は時々そのことにある種の不安を感じ、そこを避けてしまいがちだ。誰かの人生を変えてしまったらと思うと、そこを否定的に捉えてしまう。たぶん、その行き着く先がこの作品で描かれた世界なのだろう。
だが、人と人とが影響し合うのは、生きている上で避けられない。影響を与えないようにと相手を避けようとすれば、そのことが相手に影響を与えてしまうことになったりもする。人と人とは断ちがたい。
それと、描かれた事件の動機に「誰かに認められたい」という気持ちがあったが、それで事件を起こすかどうかは別として、その気持ちはよくわかる。
すっきりしないままロビーに戻ると、『春との旅』のポスターを見かけた。こちらも見たかった作品だが、うっかり忘れていた。朝早く一回だけの上映となっているが、来られるかな…
そう、友人も言っていたが、愛菜ちゃんはあまり目立たなかった。いや、あの継美の印象が強すぎたからだろう。