今日は、映画『その街のこども 劇場版』を観に、恵比寿の写真美術館に行った。
ガーデンプレイスに着いたのは10時30分頃だった。日曜日の午前中だからなのか、あまり多くの人が集まっていないように感じた。写真美術館のホール前には、ぼちぼちと人が集まっていた。「35」という整理番号をもらい、ロビーをうろうろしているうちに案内のアナウンスがされ、ホールに入った。
このホールには依然何回か入ったことがあるが、10年ぶりくらいになるだろうか。もともと映画館ではないが、最近はここでの映画上映が増えている。
さて、先日も書いただろうか。この作品は昨年の阪神・淡路大震災から15年の節目に制作されたドラマだ。震災時の苦難を描いているのではなく、子どもの頃に震災に遭った男女が、長い年月を経て15年後の1月17日を翌日に控えた神戸を訪れる。そして、夜通し歩きながらその日を迎える。全編を通じて森山未來さんと佐藤江梨子さんの会話と、そして2人の沈黙が描かれる。
実際に震災に遭った方々の思いを知りたいと思い、昨年の1月17日に神戸を訪れ、この映画のラストシーンにも登場した東遊園地の「希望の灯り」の場に立った。結局自分自身は、そこに集う方々の思いを共有することはできなかった。だが、それほど悲しみが深いことを感じた。その時に感じたのに近い思いを、この作品を観て感じた。そう感じた時、思いが胸にこみ上げてきた。そして、涙が滲んだ。テレビで観た時もそうだったが、劇場で観るとそれ以上に心が震える。意識をより集中して観ていることと、それにより作品のクオリティをより深く感じることができるからだろうか。
「シンサイミライノハナ」の花びらがロビーに置かれていたが、昨年書いたというのを理由に書かなかった。今、改めて何を書いたか確認してみると、それを今実践しきれていないことを申し訳なく思う。
パンフレットに書かれていた、脚本を担当された渡辺あやさんが書かれたメッセージを読んで、改めて心が震えた。渡辺さんはこの震災を「凶悪なクイズ」という言葉で表現している。その言葉の意味を自分なりに考えてみたが、あまりにも表面的な捉え方しかできていないので、ここに書くのは憚られる。
佐藤江梨子さんは、とてもきれいな人だと思う。スタイルがいいという点もそうだが、それ以上に、とても心のきれいな人じゃないかという思いが強い。
池袋周辺で配布されているフリーペーパー『buku』に彼女のインタビューが載っているが、そこにもそんな彼女のピュアなところが現れている。
お近くで上映されているならば、ぜひ観てもらいたい。そして、「テレビで観たから…」という方にも。