初めて梅酒を作った。まだ出来ていないので、「仕込んだ」と言ったほうが正確だ。瓶のなかに梅と砂糖と酒を入れるだけのようだが、いざやってみると戸惑うことがいくらも出て来る。瓶は熱湯消毒をするらしいが、購入したソーダガラスの瓶は耐熱ではないので「熱湯を直接注がないでください」と書いてある。この瓶が丸ごと収まるような大きな鍋に水を張り、そのなかに入れて鍋を火にかけるのだという。そんな大きな鍋は持っていないので、除菌成分のある洗剤で洗うことくらいしかできない。
梅の下ごしらえが美味しい梅酒を作る鍵なのだそうだ。ひとつひとつヘタを丁寧に取るのだという。これは最初のひとつふたつこそ要領を得なかったが、竹串でほじるのではなしに、逆に少し押し込む感じにすると面白いようにきれいにヘタが取れる。
砂糖は氷砂糖か蜂蜜を使うらしいが、毎年、高知県の黒潮町というところから黒砂糖を20kgずつ調達しているので、その黒砂糖を使うことにする。この黒砂糖は塊なので、これを適当な大きさに割って使えば氷砂糖と似たようなものだろうと考えたのである。しかし、氷砂糖のように意図して塊にしたものではなく、サトウキビの汁を煮詰めた結果として塊のように固まったものなので、酒を入れるとすぐに溶け出した。これで大丈夫だろうかと不安になる。
酒はアルコール度数が20%以上のもの、という指定だったが、近所のスーパーに梅酒コーナーができていて必要な材料が一通り揃えてあった。砂糖で冒険をしているので、酒は無難に度数35のホワイトリカーにした。
とりあえず大きな問題がなければ、1ヶ月ほどで飲めるようにはなるらしい。さて、これで飲むに耐えるものができるのだろうか?