渋谷駅刺傷で男を逮捕=「体ぶつかり、頭きた」―埼玉の32歳、被害者と面識なし(時事通信) - goo ニュース
ふたつ驚いた。ぶつかって「頭にきた」といって人を刺してしまう短絡的思考の32歳の存在。その猿のような奴を監視カメラの映像を解析して特定して身柄を確保してしまう管理システムの精度。
警察白書によれば平成22年の刑法犯全体での検挙率は31.4%で、昭和30年代のピーク水準の半分程度でしかない。検挙率の低下の原因は、おそらく警察官の資質が平均的に低下した、というようなことではなく、人権に対する社会の関心が高くなって無闇にしょっぴくことができなくなった、とか、都市化が進んで人が人に対して関心を払わなくなった、というようなところにあるのだろう。そこで登場するのが人に代わって人に注意を払う機械だ。監視カメラというものが登場した当初は画像を磁気テープに記録していたので、記録の保存や解析がたいへんだったり、画像の質が悪かったり、とそれほど役に立つものではなく、もっぱらその存在による威嚇というか犯罪抑止といった心理面での効果に期待が寄せられていた。それが映像の質が向上し、記録もHDDやフラッシュメモリのような大容量かつ検索容易なものになり、記録そのものが実効あるものになるにつれ、犯罪抑止以上の効果を発揮するようになった。かつてSFの世界のことのように思われていた"Big Brother"風のものが現実のものになった、とこの事件だけを見ると感じられる。しかし、検挙率は3割程度しかないという現実がある。
なんとなく、全体としてみると、株価がぱっとしなかったり、失業者がおおかったり、暗めの印象があるけれど、ゴールデンウィークの海外旅行者数が妙に多いとか、人気エリアの高額マンションが即日完売、というような景気の良い話もあるところにはあるというのに通じるものがある、だろうか。