万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

宗教は国家に優先するのか?

2007年08月06日 18時46分02秒 | 国際政治
アルカイダ米国人構成員、米大使館・外交官への攻撃予告(ロイター) - goo ニュース

 人間集団の中には、熱狂的な信仰心から、テロや無差別殺人といった犯罪行為でさえも神の名において正当化する人が、必ず現れるものです。歴史を振り返りましても、常に狂信者は存在していました。

 理性を失った狂信者の前では、国家や国籍は全く意味を持ちません。彼らの同朋とは、信仰を同じくする人々であって、同じ国の国民では決してないからです。このため、国法を犯しても、国民を殺害しても、何らの罪の意識を持たないのです。

 暴力主義を是とする宗教が国境を超えて忍び寄るとき、それは、国家の内側から、目的のためには暴力的手段をも厭わない反逆者が生まれる危険性が迫るときでもあります。宗教が人類に対して安全であるためには、全ての宗教の信者は、少なくとも国家が定めた倫理的ラインを超えてはならない、という共通原則を確立すべきなのではなでしょうか。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする