万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

カメレオン中国への不信

2007年08月21日 18時42分49秒 | アジア
 改革開放路線の結果、急速に経済成長を遂げた中国は、その経済力を軍事予算につぎ込むと共に、有人宇宙船の開発を進めるなど、覇権主義的な大国への道を着実に歩み始めています。しかも、共産主義体制を温存させたままにこの路線を推し進めているため、”強国”中国の不透明感は増幅し、周辺諸国の警戒感を高める結果をも招いているのです。

 その一方で中国は、経済分野や環境分野などにおいては、自らを”弱者”と見なし、先進国と同等の負担を負おうとはしません。本日の新聞(日経朝刊)では、京都議定書の「クリーン開発メカニズム」を利用して、日本国が中国から排出権を買い取る計画があるという記事がありましたが、軍事費に莫大な予算を費やしている国に対して、こうした優遇を行うことに疑問を感じざるを得ないのです(環境技術の開発や改善事業にこそ予算をさくべき!)。

 自らの都合に合わせて自己の姿を変えるカメレオン中国は、国際社会からの真の信頼を勝ち得ることはできなのではないでしょうか。

 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする