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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ベネズエラに見る失敗の繰り返し

2007年08月17日 18時45分22秒 | アメリカ
 人類は、どの時代から独裁者と闘い始めたのか、という問いに対して、歴史の記録を辿りますと、古代ギリシャ・ローマ時代にまで行き着くことができます。古代というシンプルであるはずの時代でありながら、驚くことに、実に多くの独裁予防制度が既に考案されていたのです。

 例えば、執政官を複数設けるという複任制度や複数の諸機関による分立制、拒否権制度、さらには、アテネの”陶片追放”の制度も有名です。統治制度の発展史には、独裁対策という側面を見て取ることができるのです。

 それでは、人類は、この独裁との闘いに完全に勝利を収めたのでしょうか?どうも、そうではなさそうです。今日の新聞にも、ベネズエラのチャペス大統領が、独裁体制をさらに強化している、とする記事もありました。そうして、独裁者が権力を手中に収める手法もまた、昔も今もかわらないのです。

 人類は、歴史に学び、賢くあるべきではないのでしょうか。

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