万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

オリンピックは人権に優先するのか

2007年08月09日 17時37分26秒 | アジア
中国の人権侵害続けば、北京五輪ボイコットを=米下院決議案(時事通信) - goo ニュース

 日本国のマスコミの報道などを見てみますと、北京オリンピック、否、中国の度重なる侵略ならびに人権侵害行為に対して鋭く批判する記事はあまり見かけることがありません。上記の記事についても、他人事のような冷やかな反応さえ見受けられます。

 しかしながら、この問題が、国家として、人権侵害を許すのか、許さないのか、という、基本姿勢を問うている、ということに思い至りますと、日本国の政府、マスコミおよび国民の反応には、いささか落胆せざるをえません。日頃から、声高に人権の尊重を叫びながら、中国が当事者となりますと、途端に口をつぐんでしまうのですから。

 中国に自国の行為の誤りを知らしめるために、北京オリンピックのボイコットが有効であるならば、それを政治の舞台で議論することは、決しておかしなことではありません。堂々と中国を非難できない日本国にこそ、その行く末に不安を感じるのは、私だけでしょうか。
 

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