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万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

南北統一の危ない綱渡り

2007年08月08日 21時01分10秒 | アジア
南北首脳会談、28日から開催=韓国大統領平壌訪問へ-7年ぶり、核問題など焦点 (時事通信) - goo ニュース

 最近、アメリカ国内では、北朝鮮の核問題の解決方法を、リビア方式から南アフリカ方式にシフトさせるという案が浮上してきている、とう報道がありました。これは、韓国主導の南北統一を契機として、核の自己申告と放棄を実現させる、とするプランのようです。

 今回の南北首脳会談が、この路線上にあるのか否かは定かではありませんが、南アフリカの体制崩壊よりも、韓国による北朝鮮の吸収合併のほうが、はるかに困難であることは確かなようです。何故ならば、南アフリカの場合には、一国の国内問題としての体制移行でしたが、今回のプランは、北朝鮮という、極めて特異な体制を持つ国の消滅を伴うからです。

 自国の幕引きを伴うプランに北朝鮮が容易に合意するはずもありませんので、このプランが、韓国に支援の口実をうかつに与えることになりますと、崩壊するはずの北朝鮮の体制は、かえって強化されてしまいます。南北統一という綱渡りの始まりは、見ている者が不安にかられるほど、危険に満ちていると言えましょう。

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