万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

将来に託された真の女性評価

2008年06月06日 13時29分26秒 | アメリカ
【票流底流 2008米大統領選】クリントン氏、メディアも批判 (産経新聞) - goo ニュース

 クリントン氏の事例をもって、アメリカ社会の女性差別の影響を論じることには、かなり無理があるようです。それでは、何が、女性の評価を難しくしているのでしょうか。

 それは、第一に、クリントン氏は、確かに女性ではあるのですが、女性一般とは異なって、極めて稀な境遇にあるからです。クリントン氏の夫は、元大統領という立場にあります。夫である元大統領と二人三脚で選挙を闘ったのですから、今日までの善戦が、一人の女性の力であったのかを正確に評価することは難しいのです。

 第二に、選挙を闘った相手が、クリントン女史と同様にマイノリティー出身の候補と見なされてきたオバマ氏であったことです。仮に、白人マジョリティー出身の候補者と闘ったとしましたら、性差が選挙結果に与える影響がよりはっきりと見えたかもしれません。

 結局、今回の民主党の予備選において、女性であることのマイナス要因を見極めることは難しく、それは、将来のアメリカ大統領選挙に託されているのかもしれません。しかしながら、イギリスのサッチャー首相やドイツのメルケル首相などを見る限り、女性が、政治的能力において決定的に劣っているとも思えないのです。

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