万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮が自分自身に対する闘いを宣言?

2008年06月11日 15時55分32秒 | 国際政治
北朝鮮が「反テロ」声明 米の指定解除に向け条件整備か(朝日新聞) - goo ニュース

 北朝鮮による日本人拉致事件は未だに解決を見ず、また、核の完全放棄も査察や検証に耐えうるものとも思えません。北朝鮮が、現在進行形で”テロ国家”であることは疑いのないところなのです。その北朝鮮が、「反テロ」声明を発したというのですから、これ程、自己矛盾に満ちた態度はないと思うのです。

 言葉で言っていることと、実際の行いが大きく違う場合、人々は、その人を心から信用しないものです。たとえ、口先だけでどんなに立派な誓いを立てても、行動が伴わなくては誰も信じはくれません。この声明は、”暴力団が暴力撲滅に立ちあがった”、というニュースと同じくらい、ナンセンスな響きを持っているのです。今日は、北朝鮮の暦では、4月1日なのでしょうか?

 これまで、散々にテロ行為や犯罪行為を繰り返した北朝鮮が、国際社会において信用を得るためには、まずは、これまでの犯罪行為を反省し、解決を図ることが先決です。拉致事件の解決もそのひとつであり、客観的に確認できる実績を積み上げなくてはならないのです。

 真の自分自身に対する闘いとは、この自らの内にある悪を抉る痛みに耐えることです。北朝鮮が、まるで他人事のようにテロとの闘いを宣言しているとしたら、それは、卑怯な責任回避に他ならないと思うのです。

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