万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の時代錯誤は致命的

2009年03月01日 15時39分14秒 | アジア
焼身抗議のチベット僧銃撃 中国四川省の地元警官(共同通信) - goo ニュース
 自らの命を捨てて中国のチベット弾圧を抗議した僧を、中国の警察官が銃撃したというニュース。これはは、あまりにショッキングでした。常識的に考えれば、警察官は、たとえ抗議行動を取り締まる立場にあったとしても、消火器で炎を消すなり、バケツで水をかけるなりして、焼身抗議したチベット僧の命を救おうとするはずです。中国の警察官には、血も涙もないのでしょうか。

 古い書物を読みますと、しばしば人間の残酷な一面が描かれており、現代に生きる人々には耐えられない感覚に襲われるものです。あるいは、残酷さを嫌い、それを罪とするようになった時代に生きることの幸せを噛みしめるかもしれません。しかしながら、このニュースから伺える中国の感覚は、人間が残酷であった時代そのものです。中国は、いったい、何時の時代に生きているのでしょうか。現代にあっても、残酷な行為を平気で行うことできる人々が存在していることは、人間性への絶望以外なにものでもありません。

 急激な経済発展を遂げた中国は、今では将来の覇権国として持て囃されています。しかしながら、このニュースで明らかとなった時代錯誤の感覚は、やがて、中国の致命的な欠陥となり、やがて人々の心が中国から離れてゆく方向に作用するのではないか、と思うのです。

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コメント (10)
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