万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

アメリカ大統領に被爆地訪問を願う

2009年03月02日 15時18分24秒 | アメリカ
両陛下の真珠湾訪問を検討 7月軸に調整、カナダ訪問の帰途(共同通信) - goo ニュース
 7月に検討されていると伝わる天皇皇后両陛下の真珠湾ご訪問は、先の大戦で戦火を交えた日米両国の和解の象徴となることが期待されているようです。その一方で、両国の最終的な和解は、もしかしますと、日本国の被爆地である広島・長崎の慰霊碑に、アメリカ大統領が追悼の花を手向けたときのようにも思うのです。

 アメリカでは、原爆投下は、ソ連を牽制し、早期終戦を実現して自軍の被害を最小限にとどめることを目的とした、やむを得ざる手段と見られており、それが民間の人々の命を一瞬のうちに消し去ったとしても、肯定的な意見が大半を占めると言います。世論の大半が是認しているにも拘わらず、大統領の被爆地訪問を無理に実現させましても、かえってアメリカ国民の反感を招き、日米関係が悪化するとも限りませんので、時期については慎重になる必要はありましょう。しかしながら、今と言わずとも、将来のいつの日にか、アメリカ大統領が、人類最初の原子爆弾の投下によって命を落とした方々を悼む日が訪れることがあれば、亡き人々を含めて、どれだけ多くの日本人の心が救われ、癒されるかわかりません。

 原子爆弾の投下により、無辜の国民の多くが犠牲となりました。そうして、この犠牲は、その後、第三の原爆投下を思いとどまらせたことにより、今日に至るまで、他の多くの人々の命をも救い続けてきたのです。広島と長崎の犠牲は、人類に捧げられた尊い犠牲でもあると思うのです。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。

にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする