独仏首脳、G20の財政出動めぐる米国の呼びかけを拒否(トムソンロイター) - goo ニュース
アメリカ政府が提案している”各国はGDPの2%の財政出動をすべし”という呼びかけは、早々に、独仏首脳からの反発を受けているようです。EU諸国が反対する理由としては、根強いケインズ主義への懐疑があることと、ユーロを導入している諸国が、財政規律を守る協定を結んでいることを挙げることができましょう。そうして、もう一つ、この案の制度上の問題点を挙げるとしたら、それは、IMFに対して各国政府を監視する権限を与えることではないか、と思うのです。
新聞報道によれば、G20において、財政出動の2%ルールが国際的な取り決めとして合意に至った場合には、IMFに対して、各国の財政出動状況を監視し(各国が報告書を提出?)、その結果を各国に報告する権限を与えると伝えられています(日経新聞3月12日付夕刊)。このことは、IMFが、金融や通貨の分野のみならず、財政の分野においても強力な権限を持つことを意味することになりそうです。しかも、通貨分野では、IMFの監視下に入るのは支援対象国だけですが、この案では、G20の政府の全てが対象になります。この提案が合意に至ると、国家の財政権限には一定の制約が課せられることになるのです。財政権は、国家の主権的な権限ですので、EUでさえ、ユーロ導入に至る以前にあっては、加盟国の財政権は極めて慎重に扱ってきました。この側面を考えますと、この提案がすんなりと合意に達するとは思えないのです。
IMFが、監視の権限に加えて、やがて義務不履行の国に対する制裁権を持つようになれば、IMFは、”泣く子も黙る”怖い存在として、G20に君臨することになりましょう。協調財政出動の是非もさることならが、IMFの財政分野への進出には慎重であるべきと思うのです。
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アメリカ政府が提案している”各国はGDPの2%の財政出動をすべし”という呼びかけは、早々に、独仏首脳からの反発を受けているようです。EU諸国が反対する理由としては、根強いケインズ主義への懐疑があることと、ユーロを導入している諸国が、財政規律を守る協定を結んでいることを挙げることができましょう。そうして、もう一つ、この案の制度上の問題点を挙げるとしたら、それは、IMFに対して各国政府を監視する権限を与えることではないか、と思うのです。
新聞報道によれば、G20において、財政出動の2%ルールが国際的な取り決めとして合意に至った場合には、IMFに対して、各国の財政出動状況を監視し(各国が報告書を提出?)、その結果を各国に報告する権限を与えると伝えられています(日経新聞3月12日付夕刊)。このことは、IMFが、金融や通貨の分野のみならず、財政の分野においても強力な権限を持つことを意味することになりそうです。しかも、通貨分野では、IMFの監視下に入るのは支援対象国だけですが、この案では、G20の政府の全てが対象になります。この提案が合意に至ると、国家の財政権限には一定の制約が課せられることになるのです。財政権は、国家の主権的な権限ですので、EUでさえ、ユーロ導入に至る以前にあっては、加盟国の財政権は極めて慎重に扱ってきました。この側面を考えますと、この提案がすんなりと合意に達するとは思えないのです。
IMFが、監視の権限に加えて、やがて義務不履行の国に対する制裁権を持つようになれば、IMFは、”泣く子も黙る”怖い存在として、G20に君臨することになりましょう。協調財政出動の是非もさることならが、IMFの財政分野への進出には慎重であるべきと思うのです。
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