万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

雪男は猿かヒトか―分類上の大問題

2011年10月03日 15時36分20秒 | 社会
イエティさがせ 7カ国の研究者が捜索隊 西シベリア(朝日新聞) - goo ニュース
 ヒマラヤ周辺で目撃報告がありつつも、未だその存在が確認されていない雪男。この雪男の正体を確かめるべく、7か国の研究者による国際捜索隊が結成されたそうです。

 もし、この国際捜索隊が雪男を捕まえることに成功すれば、世紀の大発見となり、世界中の人々を驚愕させることになるでしょう。しかしながら、学問的にも、社会的にも、大きな問題に直面することにもなりそうです。それは、雪男の生物学上の分類が難しいという問題です。雪男は、その名の通り(雪男が存在しいれば雪女もいるはず…)、一先ずは、人間として扱われているのですが、それは、人間と同様に、二本足歩行しているからに他なりません。二本足歩行は、ヒトを他の生物から識別する外観上の重要な特徴です。さらに捕獲した雪男を調査した結果、人間と同様に、言語を用い、道具を使い、学習能力もあるとなりますと、どうなるでしょうか。訓練を施せば、衣服を着こなし、人間の生活習慣を身に付け、特定の言語を習得し、人間社会に馴染む可能性もあるのです。この場合、発見者の側は、雪男が、動物の一種である大型類人猿なのか、ヒトなのか、深く悩むことになります。

 もし、雪男が、ヒトに分類されますと、そもそも、捕まえて、勝手に研究対象とすること自体が、”人権侵害”であると批難されるかもしれません。人と雪男との出会いは、なかなか難しい問題を投げかけることになりそうなのです。

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