万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

孔子平和賞―孔子の”深慮遠謀”に絡まった中国政府?

2011年10月01日 16時30分52秒 | アジア
孔子平和賞、今年は選考中止 ノーベル平和賞の中国版(朝日新聞) - goo ニュース
 劉暁波氏のノーベル平和賞受賞に対抗して創設された”孔子平和賞”。ロシアのプーチン首相の名が受賞者候補に挙がりながら、早々に選考が中止されたと報じられています。

 選考中止の理由は、関連団体の不正行為?のようなのですが、儒教の教えを考えますと、この平和賞、必ずしも受賞者が素直に喜んで賞を受け取るとは限らないと思うのです。何故ならば、春秋戦国時代にあって、孔子が、結局、どの国からも登用されなかったように、為政者にとりましては、相当に耳痛い内容が含まれているからです。”君子は泰かにして驕らず”、”君子は貞にして諒ならず”、”己を修めて以って人を安んず”・・・など。もちろん、孔子賞の受賞を契機に、儒教に感化され、”徳治”を学ぼうとする受賞者も出現するかもしれません。しかしながら、現在の中国政府が受賞者として選んだ人物が、孔子の教えに沿うような生き方をしてきたとは到底思えず、むしろ、”嫌味”に感じるかもしれないのです。

 そうして、この賞の主催者である中国自身が、孔子の教えから遠く離れていることを考えますと、中国政府は、あるいは、この賞が、ブーメランの如く、自らに返ってくることを怖れているのかもしれません。ノーベル平和賞への対抗心から新たに孔子平和賞を設立したものの、2500年前に孔子が為政者のために作った”徳治”という深慮遠謀に、中国政府は、自ら絡まっているように見えるのです。

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