万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

北朝鮮への渡航自粛緩和―北への資金援助になるのでは

2011年10月28日 15時25分43秒 | アジア
北朝鮮への渡航自粛解除へ、W杯サポーター対象(読売新聞) - goo ニュース
 北朝鮮で開催されるW杯の日朝戦について、政府は、北朝鮮への渡航自粛を解除する方針とのことです。北朝鮮に対しては、厳しい経済制裁を課してきたのですが、この政策、北朝鮮への資金援助になりかねないと思うのです。

 第一に、サポーターの中には、熱心な日本チームのファンのみならず、北朝鮮への渡航を目的とした人々も紛れ込む可能性があります。現在、北への送金は、金額に上限を設け、申請を義務付けるなどの制限措置を採っていますが、”サポーター”が、多額の円や外貨を、直接に北朝鮮に持ち出す可能性は否定できません。渡航自粛を緩和するならば、出国に際して、所持金の規制を行う必要があります。

 第二に、北への渡航は、旅行会社が企画しているのでしょうが、比較的高額のツアーとのことです。このことは、北朝鮮側に、ツアー料金の一部として多額の資金が支払われるを意味しています。おそらく、北朝鮮側の窓口とは、政府系の機関か公社ですので、合法的に、経済制裁が緩むことになりかねないのです。

 親北朝鮮の民主党のことですから、北朝鮮でのサッカー戦は、国民から非難を受けずに北朝鮮を支援することができる、絶好のチャンスと捉えているかもしれません。北朝鮮を利することがないよう、出国の管理を整備するとともに、ツアーの適正価格や支払先などについて、調査すべきなのではないでしょうか。

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