奴隷売買、公式に認める=178年ぶり謝罪―米名門大
日本国の戦国時代は、ポルトガル船の来訪を機に西欧諸国との間に交易が開かれると共に、イエズス会の宣教師、フランシスコ・ザビエルにより国内にキリスト教の布教が始まった時代でもあります。しかしながら、豊臣秀吉が天下を取ると一転して禁教へと転じ、多くのキリスト教徒が弾圧されることとなりました。このため、キリスト教世界では、日本国はキリスト教徒を弾圧した”悪しき異教国家”とするイメージがあります。
江戸時代に至るまで、確かに、キリスト教の宣教師を火炙りにしたり、その信者を拷問にかけて棄教を迫ったりしておりますので、日本人の多くも、まことに残酷な仕打ちをしたものと、キリシタン弾圧を忌まわしい過去と見なしています。しかしながら、今日、イエズス会等のキリスト教教団が裏で行ってきた悪行が明るみになるにつれ、キリシタン弾圧にもそれなりに理由があったことも分かってきました。
これらの教団は、表向きはキリスト教の世界大での布教を目指す宗教組織ですが、その背後では、布教先の諸国の植民地化を画策したのみならず、奴隷貿易、人身売買、武器弾薬の提供、麻薬密売等に手を染めていたらしいのです。当時、日本国内には、火薬の入手を目的としてキリシタンに改宗した大名もおり、日本国の戦国時代は、当事にあって先端的武器であった銃を大量に使用した過酷な戦争が繰り広げられました。伊達正宗が慶長遣欧使節団としてフランシスコ派カトリック教徒の支倉常長をスペインに送り出したのも、同国との連携による天下取りという政治的野心が潜んでいたとされています(因みに、天正遣欧少年使節団はイエズス会系…)。日本国のみならず、アジアでは内乱に乗じた植民地化は後を絶たず、その背後に、キリスト教教団が蠢いていた事例も少なくないのです。しかも、キリシタン大名であった高山右近などは、領内の寺社仏閣を悉く焼き払い、伝統宗教に対する宗教的弾圧者ともなったのです。18世紀には、ヨーロッパでも、イエズス会の国境を超えた陰謀めいた活動に危機感を抱いたポルトガル、フランス、スペインなどが、相次いでイエズス会士を国外追放しており、政治や治安上の理由によるキリスト教教団に対する弾圧は、日本国に限定されているわけでもありませんでした。
今月1日、イエズス会系の名門大学である米ジョージタウン大学は、過去に同大学が経営していた農場にて奴隷を使役し、かつ、売却していたとして公式に謝罪を表明しました。高い倫理性を以って人々に教えを説いてきたキリスト教の教団と雖も無誤謬なはずもなく、倫理に悖る行為によって罪を負っていることもあります。日本国の禁教の歴史も同時代の世界の動きを踏まえて理解すべきであり、歴史を反省するならば、両者共に自らの過去の行為を真摯に省みるべきではないかと思うのです。
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日本国の戦国時代は、ポルトガル船の来訪を機に西欧諸国との間に交易が開かれると共に、イエズス会の宣教師、フランシスコ・ザビエルにより国内にキリスト教の布教が始まった時代でもあります。しかしながら、豊臣秀吉が天下を取ると一転して禁教へと転じ、多くのキリスト教徒が弾圧されることとなりました。このため、キリスト教世界では、日本国はキリスト教徒を弾圧した”悪しき異教国家”とするイメージがあります。
江戸時代に至るまで、確かに、キリスト教の宣教師を火炙りにしたり、その信者を拷問にかけて棄教を迫ったりしておりますので、日本人の多くも、まことに残酷な仕打ちをしたものと、キリシタン弾圧を忌まわしい過去と見なしています。しかしながら、今日、イエズス会等のキリスト教教団が裏で行ってきた悪行が明るみになるにつれ、キリシタン弾圧にもそれなりに理由があったことも分かってきました。
これらの教団は、表向きはキリスト教の世界大での布教を目指す宗教組織ですが、その背後では、布教先の諸国の植民地化を画策したのみならず、奴隷貿易、人身売買、武器弾薬の提供、麻薬密売等に手を染めていたらしいのです。当時、日本国内には、火薬の入手を目的としてキリシタンに改宗した大名もおり、日本国の戦国時代は、当事にあって先端的武器であった銃を大量に使用した過酷な戦争が繰り広げられました。伊達正宗が慶長遣欧使節団としてフランシスコ派カトリック教徒の支倉常長をスペインに送り出したのも、同国との連携による天下取りという政治的野心が潜んでいたとされています(因みに、天正遣欧少年使節団はイエズス会系…)。日本国のみならず、アジアでは内乱に乗じた植民地化は後を絶たず、その背後に、キリスト教教団が蠢いていた事例も少なくないのです。しかも、キリシタン大名であった高山右近などは、領内の寺社仏閣を悉く焼き払い、伝統宗教に対する宗教的弾圧者ともなったのです。18世紀には、ヨーロッパでも、イエズス会の国境を超えた陰謀めいた活動に危機感を抱いたポルトガル、フランス、スペインなどが、相次いでイエズス会士を国外追放しており、政治や治安上の理由によるキリスト教教団に対する弾圧は、日本国に限定されているわけでもありませんでした。
今月1日、イエズス会系の名門大学である米ジョージタウン大学は、過去に同大学が経営していた農場にて奴隷を使役し、かつ、売却していたとして公式に謝罪を表明しました。高い倫理性を以って人々に教えを説いてきたキリスト教の教団と雖も無誤謬なはずもなく、倫理に悖る行為によって罪を負っていることもあります。日本国の禁教の歴史も同時代の世界の動きを踏まえて理解すべきであり、歴史を反省するならば、両者共に自らの過去の行為を真摯に省みるべきではないかと思うのです。
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